Google 営業雑感NO.269

 先日、Googleが、自社の生産するスマホPixelに搭載する標準アプリとして自社作成ソフトを無償で組み込んだことについて、公平な競争を排除してはならないとする独占禁止法に触れるとして提訴されたというニュースが飛び込んできました。小生は、この訴訟で原告側が勝訴することは難しいと考えています。といいますのも、IT業界においては、自社の主力商品に関連する商品を組み込むことで、関連する商品の市場を消滅させる手法は販売戦略として確立されているようにも思えるからです。IBM,SUN,ORACLE,MicrosoftとIT業界においては市場を制した企業は、必ずといっていいほど、この手法を採用しています。

 この手法が顕著に顕れているのがWebブラウザシェア争いです。インターネット隆盛期には、NetscapeがTOPを走っていたのですが、Microsoftが圧倒的シェアを獲っていたパソコンOSのWindowsにIE(Internet Explorer)を標準搭載したことで、一時期は全世界で使用されているブラウザの95%という驚異的なシェアを誇りました。この段階で、ブラウザが有償から無償に変わり市場は無くなりましたが、インターネットの入口となりますのでシェア争いは、今も続いています。NetscapeはFirefoxとして継承され、旧UNIXから引き継がれたLinuxユーザを中心に一定のシェアを獲得しています。Appleはスマホを含めたiOSの世界に標準ブラウザとしてSafariを投入しました。しかしながら、満を持してGoogleが圧倒的シェアを誇る検索エンジンを標準搭載したChromeを投入し、瞬く間に市場を席巻しました。MicrosoftはEdgeを投入し巻き返しを図っておりますが、インターネットの検索端末の主役がパソコンからスマホに変わった現在では、遅きに失した感があります。

 以前のDXでも触れましたが、小生は、今後のIT業界における基幹となるのは、クラウドコンピューティングサービス・インターネット閲覧ブラウザ(アプリ含む)・情報ポータルの三分野であると考えています。情報ポータルとは、共用ファイル機能、ドキュメント作成編集機能、マルチメディア作成編集機能、ワークフロー機能、メール機能、チャット機能、掲示板機能、リモート会議機能、シングルサインオン機能など、DXを使用する際に必要となる基本機能を集約して提供するソフトになります。小生は、AIは3つの基幹分野や業務遂行に組み込まれる部品的な機能と考えています。

 Googleは、この三分野に向けてシッカリと照準を合わせており、汎用機時代のIBMに比するような巨人になる可能性を秘めているように感じています。

 クラウドコンピューティングサービス分野では、現在TOPを走るAmazonのAWSへの対抗商品を投入しておりませんが、iCloudがいずれ提供すると見ています。Googleに先んじてAWS対抗として商品化されたのが、Microsoft Azureです。

 インターネット閲覧ブラウザ分野は、Googleが成功を収めつつある分野です。スマホOSであるAndroidを取り込み、パソコンOSで寡占状況を獲得したWindowsで共通的に使用出来るChromeを投入し、60%を越えるTOPシェアを獲得しました。更には、iPhoneに対抗すべくGoogle Pixelを投入し、今回の係争となっています。現在は、我が国メーカを含め様々な機種が生産されているAndroidスマホの盟主となる可能性を持っています。我が国ではDoCoMoなどのキャリアがsim付スマホを販売する携帯が主流ですが、国際的には、sim freeが主流でスマホ購買とキャリア契約は別物ですから、ガラ携が生まれたように我が国市場は隔離されてiPhone対Pixelで勝負が決するかもしれません。

 情報ポータル分野は、これからの市場ですが、必ず基幹分野になると見ています。GoogleiCloudで既に実験的に提供されています。Apple IDやMicrosoft IDで提供される機能もポータルを見据えています。特に、Microsoftは、企業の業務の根幹となるドキュメント作成編集機能を総括しているOFFICEを中心としてOFFICE365を提供し、更には、アプリコントロールをおこなうAzureとの一体化を模索しているように感じています。

以上

2023年10月29日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii