商品仕立て 営業雑感NO.268

 DXの進展により、商品の見せ方にも変革が必要です。今回は、商品仕立てについて、以前と比較しながらお話をします。

 小生は、商品には、商品説明書(カタログ、製品仕様書などを含む)、価格表、取扱説明書、品質保証書、アフターサービス説明書(保守契約書を含む)、廃棄説明書の6種のドキュメントが必須と考えております。

 商品説明書の代表的なものが商品カタログです。カタログ写真は、商品の顔ですので、プロのカメラマンに依頼したりしていましたが、ネット販売での写真は、メルカリやyahooオクに代表されるように個人がスマホなどの画像を掲載することが一般的です。楽天やアマゾンのショップでも商品写真が個人撮影の画像であることも少なくありません。AIの編集ツールも充実してきますので、個人撮影の傾向が強まるとともに、様々な角度からの複数写真掲載が増えると思います。又、DXにおいては、製品仕様書と写真が一体化していくと考えています。大きさ・重量・動作範囲など商品にかかわる数字が写真と一体となって表示されるようになります。概要図などの図面に近い数字入りイラストも多用されると思います。

 価格表については、変革の大きい分野と考えています。代表的なものが保険に代表されるように個人情報を与えるだけの簡単見積です。ここで留意いただきたいことは、見積作成の主体が営業からお客様に変わるということです。これまでの価格表は見積を行う営業用に作成されていたために製品構成のオプション選択による積上計算が主流となっていました。DXにおいては、お客様自身が見積を行うために、用途などお客様が自分で選択できる項目での積上計算に変わります。多くの商品において価格表の見直しが必要になると思います。全く新しい発想の価格表の例としては、既にカーシェアが実用化されている米国でのウーバー(Uber)では、出発地と経路と目的地を利用者が入力した時点で価格が表示されるしくみなっています。運転距離に応じて計算されるタクシー運賃とは構造が全く違います。このように、DXにおいては、サブスクなど使用量に応じた価格表も多くなってきますので、時間軸など基本とする使用量方式の価格表に変革されるものも多くなるでしょう。

 取扱説明書にも大きな変化が生まれます。一番の違いは動画の活用でしょう。更に、商品を実際に使用している動画を活用することにより、これまでは、お客様は購入後に入手していた取扱説明書でしたが、購入前にも商品を使用する立場で見ることが可能になります。既に、Webで提供されていました、タイヤなどの車用品を自分の車に合成させるしくみや、インテリア商品の自宅での適用イメージ作成などが、仮想空間を活用して購入前確認に、大きく進展していくことになるでしょう。加えて、ゲームに代表されるソフト業界での無償お試しのしくみも家電や車など様々な商品にも適用される時代に変わっていくでしょう。

 品質保証書については、家電や車が代表的ですが、家の建物書類や保険の契約事項説明書なども品質保証書に該当します。人的サービスを提供する際には、サービスレベルアグリメントと呼ばれるサービス定義書が普及すると思います。

 アフターサービス説明書については、現状、家電などの一部の商品には添付されていますが、全ての商品で用意されている訳ではありません。循環型社会を目指していく上では長期使用が商品に与えられる一つの条件義務になっていくと思いますので、今後は、全ての商品に必要になると考えています。

 最後に、廃却説明書ですが、こちらも循環型社会を目指していく上で、新たに必要となるものです。既に、ペットボトルなどに採用されているエコマークのように、全ての商品について注意事項も含めた廃却方法を明記することが義務化される時期がくると考えています。今は、不要品はリサイクル業者任せになっている感がありますが、中古品再販売もふまえた自社製品回収制度を持つ商品販売業者も出てくることが想定されます。

以上