前回、Googleの戦略について私見を述べました。今回は、小生が、今後のICT業界の趨勢を決める鍵を握っていると思っているマイクロソフトについて私見を纏めます。これまでお話ししたことと重複する部分も多いですが、ご容赦ください。
先ず、これまでのマイクロソフトの強みを考えてみます。ご存じのように、パソコンOS(オペレーティングシステム)は、マイクロソフトの独占市場となっております。パソコンが世に登場した際には、多くのパソコンメーカが存在しました。メーカといいましたように、当時のパソコンは、パソコンの心臓部にあたるCPUチップとパソコンを動作させるソフトウェアを制御するOSは、一体として開発されていました。この動きは、パソコン登場以前のコンピュータ製品開発の手法を踏襲しておりました。コンピュータの巨人はIBMで世界の70%近くのシェアを誇っておりました。
パソコン製品の開発において、マイクロソフトのとった戦略が秀逸でした。先ず、インテルと協調し、パソコン用CPUについてはインテル、パソコンOSはマイクロソフトと双方がお互いを限定して開発を行うことで、パソコン製品開発における技術力・投資のハードルを下げました。加えて、IBMが仕様を公開したDOS/V機を投入したことでCPU関連のハード仕様が標準化されたことにより、この動きに拍車がかかりました。マイクロソフトの標準化戦略により、多くのパソコンメーカが独自開発路線を放棄しました。ここでマクロソフトが成功した要因は、ハード開発とソフト開発を独立させて、マイクロソフトはソフト開発に徹したことと考えています。
マイクロソフト・インテル・IBM連合に対抗したののが、ミニコンの主流となりつつあったUNIX陣営です。この陣営では、インテルに対抗すべくサンマイクロのSPARCチップをハードコアとして、標準OSとしてはUNIXを採用したのですが、Windows-NTの登場でパソコンサーバが出現し、ミニコンそのものが淘汰されました。余談になりますが、Windows-NTの開発コード名のWNTとは、ミニコンでTOPシェアと獲っていたDECのVAXに搭載されていたOSであるVMSの各文字をアルファベットで一つ進めたものです。実際、マイクロソフトは、DECのOS開発チームをチーム毎スカウトして開発した模様です。尚、マイクロソフトに席捲されたUNIX陣営ですが、インテルサーバOSとしてUNIXの流れをくむ Linuxをフリーウェアで投入し、現在でもインテルサーバOS分野で30%以上のシェアをとっています。現在、旧UNIX陣営の盟主はオラクルです。
マイクロソフトのソフト開発独立路線に抵抗し、ハード・ソフト一体開発の独自路線をとったのが、アップルでありMACとiOSです。パソコン市場では勝負ありの感がありましたが、インターネットの普及を見据えて、スマホiPhone投入で復活しました。更には、アップル製品は、タブレットであるiPadもiOSで動作するため、パソコン・タブレット・スマホが同一OSで動作しておりますので、アプリケーションソフトの親和性が高くなっています。
マイクロソフトのソフト独立路線がインターネット普及により、弱みに変わったと見ています。インターネット時代のDXを推進する製品は、スマホ・タブレットに加え、ウエアブル端末などハード開発が中心となる時代がしばらく続くと思うからです。
そこで、小生が着目しているのが、マイクロソフトが次に提携、協調する企業がどこか?ということです。iOSに対応するスマホOSはAndroidです。AndroidはLinuxの流れをくみ、スマホを含むIOT機器用OSとして、フリーウェアで登場しました。現在のAndroidの最大のスポンサーは、前回、お話をしたグーグルです。Windows-では、Android上で開発されたスマホアプリが、パソコン上での動作を可能にするAndroidエミュレータを投入し、iOSに対抗しています。課題であったタブレットについてもSurfaceを投入し巻き返しを図っています。一見すると、マイクロソフト・グーグル・オラクル連合でアップルに対応するようにも見えますが、マイクロソフトはデータベース分野ではオラクルと、ブラウザ分野ではグーグルと激しく火花を飛ばしていました。そうスンナリとはいかないようにも思えます。現在、アップルにはファンは多いものの圧倒的シェアを誇る市場がないだけに、DX市場を左右する可能性の高いマイクロソフトの動向に注意しています。
以上