DXの進め方(5)業務改革 営業雑感NO.267

 DXを推進していくと必ず業務改革に繋がると考えています。逆に、業務改革に繋がらないDXは意味が無いとも考えます。

 以前から「業務の付加価値は出力情報の宿る」と申しておりましたが、DXによる「窓口レス」は、業務改革に直結します。業務の入り口である窓口には、情報の精査という重要な役割がある上に、相手がお客様・取引先など、人であることが多い為にコミュニケーション力も求められます。しかしながら、「窓口レス」という考え方では、相手に情報入力を任せることになるためにコミュニケーション力という能力に頼ることが少なくなる上に、窓口要員を大幅に削減することが可能となります。保険業界では、多くの外交員を抱えて顧客との個人的信頼か関係を築いて契約を取るという営業体制を持っていた我が国保険会社に、外資系がネット申し込みという手法を用いて営業コストを削減した安価戦略で挑戦しました。結果、外交員制度を逆手にとった販売戦略で成功を収めたことは、ご存じのとおりです。外交員制度は、歩合制を採用し正社員ではなく個人代理店ともいえる制度をとっていた為に、大量解雇ということにはなりませんでしたが、保険外交員という職種は、ほぼ消滅しました。

 これまでのネットビジネスの特長の一つに、地方の特産物のように大規模な販売網を構築することなく全国に販売を可能とすることがありましたが、DXにおいては、明確に営業職の組織改革がなされます。家電・車・証券など花形営業の存在する業界にも変化は訪れます。自社の営業について、顧客と商品をつなぐ存在としての営業について、商品特性を考慮して改めて考えるべきでしょう。勿論、営業体制を改革するということは、営業に付随している業務についても見直すことになります。事務を代行する営業補助職はいうに及ばすですが、マーケティング手法は、リアルとネットでは大きく異なりますので、販売促進部門の改革は必須です。加えて、窓口となるHPやスマホアプリもマーケティングと連動して即時に変更することが必要となります。小生は、新しい営業組織とは、営業・販売促進部門・Web部隊が一体となった組織と想定しています。組織改革を伴う業務改革で、経営陣の関与が必須です。DX推進を唱える経営者は多いのですが、業務改革構想と一体となっており、、従来ITの業得改革とは異なっていることを認識すべきでしょう。

 営業についで改革の対象となるのが、銀行や役所の窓口部門です。これらの窓口は商品ではなく情報を主たる対象として扱っています。従って、営業以上にDXとは相性がいいものです。窓口から交付されるものは紙や現金ですので、現在は、ATMやコンビニ多機能端末が活用されていますが、スマホプリントや電子マネーが普及するとスマホだけで完結することも充分に考えられます。行政においては、政府と官庁と国会、首長と議会の理解が進むことが必要ですが、我が国においては時間がかかりそうに感じていますのでは小生だけでしょうか?

 尚、人に寄り添う医療・介護の分野でのDXは「窓口レス」とは、少し異なる様相を呈すると考えています。こちらは、従業員の持つスマホ活用やAI内蔵の各種ロボットによる業務改革が進むものと考えます。又、医療体制維持を目的に国の進めております地域医療構想が、各種健康サイトの登場とマイナンバーカードの普及により充実する患者視点での情報集約と連携していくように考えています。

 DXの進め方として、窓口レス・既存システムの移行・セキュリティを担保した全社ネットワーク構築・業務改革と話を進めてまいりましたが、その推進の為には、現場とTOP双方の業務への理解が必須と考えます。

以上