DXの進め方(1)従来ITとの決別 営業雑感NO.263

 インターネットが、世界共通の情報インフラと成長して以降、ICTは技術・商売の両面で、大きく様変わりしました。そこで、今回からこれからのICT活用の基礎となるDXへの取組み方について、何回かに分けて考えていきます。

 第一回は、従来ITとの違いについて纏めます。以前にもお話しましたが、ITの主役は長らく処理装置(CPU)でした。従って、IT業界もIBM,富士通、日立、NEC,DEC、SUN,HPなどのコンピュータメーカが中心でした。パソコンの登場によりハードからソフトに主役が変わり処理装置を司るOS(オペレーティングソフト)ベンダーであるマイクロソフトが業界を席巻しましたが、インターネットの普及によりIT業界主役の座は短命に終わりました。小生は、今のIT業界は主役不在だと考えています。しかも、今後も絶対的な主役は登場しないように思います。何故ならオープン思想の普及とオープン化された技術(フリーソフト)を支えるインフラがインターネットにより保証されていますので、IT技術はフリーソフトに支えられる業界構造になると思います。この動きに最後まで抵抗しているのはアップルでしょう。又、グーグルやアマゾンに代表されるように、インターネット社会におけるクラウド環境を提供するベンダーとしての主役争いが激化していく筈です。マイクロソフトもこの争いに参戦しています。アップルも早晩、こちらに主力を移すと考えています。我が国では、NTTにのみ参戦の可能性が残されているように思います。

 業界の動きから見てきましたが、これからのITにおいては、ICT技術ではなくデータが主役になると考えています。従って、IT技術を商品とした業界の形成に至らないというのが小生の結論です。従来ITでは、ややもすればベンダー任せとなっていた業務のITシステム化も顧客中心に回帰します。DXにおける主役は利用者であり、「at your own risk」が徹底されると思います。小生は、企業がDXを進めるには、自社に自社の業務をデータ中心で分析できる体制を確保することが最も重要であると思います。多くの企業にはIT部門が存在していますが、今後の役割は、従来とは少し異なる部分もでてきます。つまり、従来は必要とされていたプログラム作成に代表されるようなITスキルに関する仕事が減り、DX視点での業務見直しの技術力とインターネット利用を前提としたセキュリティに関する経営と直結した情報管理体制が求められます。DXも技術的にはITの延長にはありますが、その構造は、大きく異なっています。

 一番の違いは、インターネットありき(IOT Internet of Things)であることです。従来のオンラインとは異なり、容易に他システムとの接続が可能となりますが、情報セキュリティについては、利用者責任となっていることを理解しないといけません。加えて、HPなど、個人からの接続も既に用意されていますので、取引先、お客様、株主などとの情報交換についても考慮することが必須となります。

 更には、クラウドサービスの普及により、自社にサーバ設備を設置する必要のある業務分野は限られてきます。これに伴い、自社サーバを運用する為の仕事や空調や耐震に優れたサーバ室など設備は大幅に減少します。

 次の違いとして、情報端末の主役交代が必ず発生します。これまでは、PC(パソコン)が主役であり、一人一台PCを目標としていた時期もありましたが、今後の主役はスマホになります。更には、大画面プロジェクタ・高精細画像表示装置などの特定分野向け端末や、時計型、メガネ型などのウェアブル端末も登場してきます。今後は、PCは、なりすましを防ぐなどのセキュリティが重視され、一覧性を要求される管理業務に限定される情報端末となっていくことでしょう。

以上