チャットGPTや画像生成アプリなどが実用化されてAIが一般的になりつつあります。小生は、AIが商品化される技術の方向性は、現時点では、検索系・学習系・判断系の三種と定義しています。加えて、利用者としてAIを使いこなす為の技術もこの三種で大きく異なります。今回は、小生が分類した背景とこれらのAI活用における利用者の求められる技術について解説します。
1)検索系AI
チャットGPTや画像生成アプリなど、今話題になっているのが、この分野です。既に話題になっていますが、検索系AIを使いこなす為に必要なのは質問力です。膨大なインターネット上の情報を組み合わせて文章や画像を作成しますので、選択してくる素材選びが鍵になります。より良い素材を選ぶ為に必要となるのが質問力になります。インターネットでの判断基準が多数決ですので、質問に対して最も多く出現している文書や画像が選択されます。逆にいうなら、ありきたりの質問では常に同じ素材が選ばれことになります。自分の求める答えに向けて、いい質問をすることが求められます。
質問力での知見を最も多く持っているのはグーグルだと思います。以前からグーグルは検索エンジンをフリーソフトとして提供してきましたが、検索を行う膨大なキーワードが蓄えられています。以前にもお話をしましたが、最終的には、個人の検索キーワードを分析することで、インターネット上で情報検索を行う個人の趣向を理解した秘書的なアバターを提供することを目指していると思います。
2)学習系AI
少し以前に話題になっていたディープラーニングという技術を活用するのが、この分野です。医療系や技術系で活用が進んでいるのもこの分野です。例えば。高血圧症について考えますと、血圧130以上を高血圧とすれば、AIを使わなくても血圧計の値をみれば簡単にわかります。しかし、血圧130以上の方が必ず治療が必要な高血圧症ではありません。医師は直近数日の血圧値を比較検討することや個人毎の特性として年齢・性別・過去の血圧の平均値などを観て治療の必要制を判断し処置しています。この医師の判断をAIに教えることで、日々の血圧測定値から高血圧症への治療の必要について警鐘をならすことが可能になります。このように学習系AIを活用するためには、より深く判断するためのデータと基準を教える技術が必要になります。小生は、当面、AIが利用者に利するのはこの分野だと考えています。板金・溶接などのものづくりから気象予測まで、様々な分野でその道のプロとよばれる方のスキルを教えることが可能となります。但し、プロには、独特の感というものが備わっていますので、プロが観る情報や判断基準をAIに学習させる為にAIの判る言葉に翻訳するAI技術者が必要となります。将来的には、音声・画像だけでなく臭いや触覚などを覚えるセンサーを駆使して、プロの技術を自ら学習することが可能なAIも出現するでしょう。
3)判断系AI
こちらは、AI将棋やAIチェスの分野です。過去の棋譜などから最善の指し手を判断しています。ご承知のようにAI将棋にも強弱があります。勿論、参照する棋譜の数にも差があるでしょうが、将棋でいうと何十とあるいう次の一手候補から最善手を選ぶ為の判断基準が必要となります。前述の学習系AIとの一番の違いは、いくら名人とはいえ勝負に勝ち負けがありますが、判断AIは全勝を目指しますので、教えることが出来ないというところにあります。判断系AIは、開発者のスキルに頼るしかなく、開発者は決められたルールとそのルールに則って実行された過去の膨大な情報から、数学的に判断するロジックを競うことになります。判断系AIにおいては、利用者がAIを使う為の技術は必要としません。AIの出した答えを採用するか否か?を決めるだけです。又、判断系AIを構築するには、将棋のようにルールが存在しないといけませんので、適用分野は絞られると思います。
以上のように、現在のAIで、身近に使えるものは検索系AIで、利用者としては、質問力を磨くことが求められます。近い将来、質問力を磨く為の学習系AIを組み込んだ複合型のAIも出現するものと思います。又、数学的に株価予測を行う判断系AIと企業業績を分析する学習系AIを組み合わせた経営支援の複合型AIも研究されています。しかしながら、三分野での研究がまだまだこれからですので、複合型AIの登場には、少し時間がかかると思います。SF小説や鉄腕アトムは、三種のAIが密接に関係する複合型AIと考えています。
以上