今回は、様々なエラーの発生しておりますマイナカードについて、DX進展を見据えて技術的に狙っている姿を考察します。
DXでの一番の課題は、本人確認です。様々な業務がDXに置き換わるということは、手元でいろいろなことが出来るようになります。その意味では、スマホアプリとの連動により手元で顔認証による本人確認が出来るところが最大のメリットだと思います。このマイナアプリのインターフェースを公開することで、アプリ化が進んでいる各種業務での本人確認が一気に進むことになります。銀行振込業務を例にとってお話します。銀行アプリを起動するにはIDとパスワードが必要です。更には、振込を実行するには、ワンタイムパスワードを専用装置やスマホアプリを使って入手して入力する二重構造のパスワード認証を行ってセキュリティを確保しています。しかしながら、この方法では「なりすまし」に対処するには充分とはいえません。端的にいえばスマホを奪うか、同期をとって、他人が操作をすることを防ぐことは出来ません。ところが、少し面倒にはなりますが、起動時か、振込実行時のどちらかの段階で、一旦、マイナアプリを使って本人確認を行う操作を挿入することで顔認証による確実な本人確認を行うことが可能となります。勿論、銀行アプリの中に独自の顔認証を組み込むことも可能ですが、その場合、銀行アプリ利用を開始する際に、顔認証用の顔写真の事前登録が必要となります。マイナカードを申請する際に実施した顔認証データの登録と同じです。今後、様々なアプリが出現するはずですので、都度、本人認証の為の顔などの生体認証を登録することは大変な作業とデータ重複が発生します。
尤も、スマホの起動時に使われる顔認証機能を各種アプリに開放することも考えられますが一度登録した顔認証用元データをカード化して持ち歩くことで、簡単に変更することを防げます。カード紛失のリスクはありますが、ここでも顔認証データがありますので、一定のセキュリティは担保されます。このように、マイナンバーと顔認証の組み合わせは、DXにおける本人認証を助けることになります。電子マネーシステムやネット決済などで利用すると考えた場合、これを全国民が保有することは国家レベルでのDX推進において他国との差別化を図れる可能性も高いと考えます。極論ですが、全国民が保有する前提であれば、日本銀行券を電子マネー化することも技術的には可能となります。
尚、保険証や住民カードとして利用される場合は、住民票発行に使用するコンビニ端末や保険情報入手の為の医療機関窓口の専用読取り装置が必須となっています。これは、住民票発行では住民基本台帳システム、保険証システムでは、医療機関の電子カルテシステム・医事請求システム、加えて各保険機構の保険支払いシステムなど、既存の情報システムとのデータ連携が必要となる為に、それぞれのシステムとのマイナカード連携用システムを使用するため連携システムへの入力端末としてカード読取装置が使用されています。自治体毎のアプリや医療機関毎のアプリが提供されるようになれば、上記、同様にマイナアプリとの連携は可能となり、専用端末が不要となる時代がくることでしょう。但し、住民票発行では、専用用紙による紙情報が必要となっていますので、電子データ化することも必要でしょう。その際には電子データの暗号化と共に考えることになりますし、その為の法制度も必須となります。
今国会で成立したマイナンバー活用法案には、これらのことを見越した法制度も盛り込まれていますが、保険証の発行停止などの特定事項に関してのみをマスコミが取り上げておりますし、政治家や大臣が、これらの最終理想型を理解して法案化しているようにも思えません。一部官僚や諮問委員の中に、これらのことを理解し法案を作成している筈ですが、残念ながら、目指している姿の全貌は見えてきません。尚、マイナンバーは、マイナカードとは、目標とするところが異なりますので、こちらは次回といたします。
以上