マイナカード使用での他人の住民票発行や他人の薬歴情報提供などの間違いがマスコミで取り上げられておりますが、かつてIT業界に身を置いた小生としては想定内のエラーです。本稼働前のテストが不充分だったことに起因していると思われます。「NO.218 マイナカードの名寄せと顔認証」にも触れておりますが、膨大な過去データをマイナンバーという新しいIDに紐付ける訳ですが、元データを管理しているコンピュータメーカもシステムがつくられた年代も異なる為に、データ管理手法もバラバラだった筈です。その為に、テストケースの洗いだしが難しかったのだと思います。本プロジェクトの実態を承知しているわけでありませんが、テストについては、ユーザ責任でもありますので、むしろデジタル担当大臣が特定ベンダー名を出して責任を追及したことに違和感を覚えました。
今回は、マイナカードにも関係しますが、連休中にANAを利用しようとした方が、スマホアプリに慣れていないために窓口で混乱していたことに着目し、ANAが停止したカード利用のチケットレスサービスのように、従来のカードに付随していた各種サービスがスマホアプリに置き換わっていく状況を考えてみます。
小生は、銀行カード以外の殆どのメンバーズカードは、アプリに入れ替わると考えております。更には、プリペード機能をアプリに取り込むことでキャッスレス決済の機能も内蔵していくと思われます。カードからアプリに入れ替わることによるメリットの一つがこの様々な機能を取り込みやすくなることです。ネット販売、予約システムなど、クラウド上で展開されている各種サービスを自社アプリに組み込むことが容易になります。
自社アプリを採用しようとする企業にとって、最大のメリットは、アプリはダウンロードが必須となりますのでHP閲覧では不確かだった顧客管理が、より確実に行えるようになることです。更には、前述のように、ビジネスに関連する各種クラウドサービスの連携利用が可能ですので、サービス機能の拡充も容易になります。
利用者側のメリットはいうまでもなく、人によっては何十枚も持っているカードが一台のスマホに集約されます。しかしながら、利用者にとっての最大のメリットは、会員になった企業の提供するサービスを手元で獲得することが可能になります。商品購入から各種相談、医療診断まで何でも可能となる筈です。
社会全体にとってもペーパーレスはいうまでもなく、レジでの決済だけでなく、各種入場券や、ANAが採用した航空券など、様々な窓口確認業務が合理化されます。
上記のように、アプリの普及により、カードレス時代は確実にやってくると思いますが、最大の課題はセキュリティです。現状のスマホには「なりすまし」リスクがついて回ります。これについては、攻撃と防御のイタチごっこが延々と続くと想定しています。但し、こちらは技術でカバーされていくと思われます。小生が一番危惧していることは、スマホ利用がほぼ義務化されることです。これまでは、カードを使うと使うまいと利用者の選択に任されておりましたが、アプリが普及すればするほど、スマホを使わない場合は、著しく不便になることが予想されます。当面は、カードとアプリの併用が可能となる筈ですが、ANAのように、企業論理でカード利用を中止するケースも増えてくると思われます。加えて、スマホには、コミュニケーションツールとしての革新機能を有しておりますので、生活様式の変化を産むことも充分に考えられます。企業のDXが進むとスマホは仕事をするにも必須の端末になるでしょう。小生のようなガラ携愛用者にとっては、厄介な時代になりました。
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