最近、高付加価値商品という言葉をよく耳にするようになりました。付加価値は、仕事をする上で、小生が最も大切にしている概念です。海外からの観光客を迎えるにあたって日本文化の体験メニューを加えた商品や、お城での宿泊などの希少体験を売りにした商品などが、高付加価値商品開発への取組みとして紹介されていましたが、高付加価値商品と高額商品とは同じ概念ではありません。海外の金持ちを対象とした高額観光商品の開発には異論はありませんが、高い付加価値と高額を同義として定義しているところが安易に過ぎると感じています。といいますのも付加価値を高めることは、日常の業務遂行においても最も重要な課題と小生は考えており、必ずしも付加価値を高めることは、高額だけではないと考えているからです。加えて、あらゆる仕事に付加価値は存在しているのですが、仕事の付加価値を明文化することが簡単なようで難しいと認識しています。
日常業務における付加価値について考えてみましょう。付加価値とはいうまでもなくお客様にとって有用であることと同義と考えます。従って、日常業務においては、誰がお客様かを決めることが必須となります。ここでいうお客様とは、商売の相手である顧客とは限りません。業務を提供する相手のことです。従って、お客様とは、社内の他部門であることも多いですし、社内事務作業にも付加価値は存在しています。
出張精算を例に、総務部門が提供している付加価値について考えてみます。総務部担当者が提供している付加価値としては、「伝票記載の項目の間違いをチェックする」「精算内容が出張規程に則っていることを確認する」「間違いがあるときは差しもどす」「申請者への支払いを行う」「出張精算に関する集計作業をおこなう」などがあります。ここで、お客様を申請者と考えた場合に付加価値を高めるとは「支払いを速く行う」となります。お客様を申請元の管理職とした場合には「対象部門におけるの出張精算管理を助ける」となります。更には、経理部門をお客様と考えた場合には「全社で必要な金額を明確にする」となります。このように、同じ業務でもお客様を誰とするかで、付加価値を高めることは異なってきます。既にお気づきの方もおられると思いますが、付加価値を高めるというのも、Q「品質」C「費用」D「納期」で考えるというのが持論です。
また、付加価値と商品化には、深い繋がりがあります。どのような付加価値を提供するかで商品も変わってきます。掃除機を例にお話をします。「ゴミを集める」「ゴミを拾う」「ゴミを捨てる」という付加価値を提供していた掃除機のQ「品質」を画期的に高めた商品がダイソンの渦巻き型吸引装置で、「家事に要する時間を削減する」という付加価値を逆転の発想で加えたものがルンバに代表されるお掃除ロボットだと考えています。従って、商品化を考える際には、既存の付加価値を高めるだけでなく、新たな付加価値を加えるという発想も必要となります。冒頭の観光商品開発においては従来の観光資源に「日本文化を体験する」という付加価値を加えたものとの解説もなされていました。
この付加価値を加えるという発想は、日常業務の付加価値を高める際にも適用が可能です。既存の付加価値を高めるツールとして活用されていたITでしたが、インターネットというコミュニケーションツールと一体となったことで、新たな付加価値との結びつきを模索することが可能となりDX「デジタル化」という言葉が生まれたと愚考しております。付加価値は、アウトプットに内在すると以前にお話をしましたが、業務で作成される帳票毎に付加価値はあります。それらの付加価値を纏めたものが、組織の提供する付加価値となります。いずれにしましても、日常業務に内在する付加価値とお客様を明確にすることが、業務改善の第一歩と考えております。
又、お客様に販売している商品にも付加価値があります。商品がお客様に提供している付加価値を明確にし、社員全員が理解しておくことも重要と考えております。
以上