今週コロナ罹患が判明し、現在自宅療養中です。今のところノドの痛み以外は大きな体調変調が出ていないのが幸いです。今回は、最近になって、政府やマスコミが取り上げ出しました日本経済復興策につき、私見を纏めます。
先日、グローバルニッチという言葉を耳にしましたが、本雑感では、以前からお話をしておりました「ニッチチャンピオン」という考え方です。我が国には、多くのニッチチャンピオンは、既に存在しています。これらの企業には、共通的特質があります。
1)地方の地場製造業であることが多い
既に、大企業に仲間入りして本社を東京に移転した企業もありますが、元は町工場という企業が多い。トヨタも、元を正せば名古屋の自動車工場です。
2)大企業や大口顧客など、製品要求を明確にしてくれるお客様を持っている。
FIFAのようなスポーツ系国際団体とのパイプを築いて、バレーボールやサッカーホイッスルでニッチチャンピオンとなった広島のモルテン、カネボウなどのアパレルメーカの要望に応えて3D縫製機でニッチチャンピオンとなった和歌山の森精機、米国オレンジ栽培業者と提携した熊本のオレンジ選別装置を開発した平田機工、日清・サンポーなどのインスタントラーメンの粉末スープを独占的に製造している佐世保のアリアケジャパンなど、多くの企業は、自社の技術力だけで商品開発をしているわけではなく、完成品イメージを提供されて、それに挑戦して達成している企業が多いのも事実です。米国型ITベンチャーとの違いがこのあたりにあるように思います。尚、これらの大企業や大口顧客は、開発費の一部を負担してくれる場合が多く、スポンサー的な要素も持っています。
3)創業者社訓などの企業ビジョンが明確になっている。
田宮模型、さくら精機、サントリー、島津製作所、京セラ、など枚挙に暇がありまん。加えて、創業一族が社内にいることも多く、株式上場に拘っていない傾向もあります。
我が国の経済施策は、明治期の三菱などの藩閥企業優遇から始まり、その後の財閥形成など政府と大企業とは、密接な関係を保っていました。大戦後、GHQの指導で財閥解体がなされましたが、占領後は大企業優先に戻っていました。中小企業優遇を唱える政治家は多いですが、上記のような企業が恩恵を受けていたとは思えません。増して、これらの企業は、日本の経済力が相対的に弱くなったといわれる前からもニッチチャンピオンでした。従って、ニッチチャンピオン政策は間違いではありませんが、今の制度の延長では、現行の弱くなった日本経済を強くすることとは関係が薄いようにも思えます。具体的にどのような財政優遇を行うかを明確にしないと無意味です。これらの企業が、最も困っているのは人財不足でしょう。新人採用、中途採用ともに低調です。加えて、大企業の処遇格差が拡がっています。今回の首相からの報酬増加についても大企業がこれに応じることで、格差は拡がるばかりだと思います。元気のあるこれらの企業が活力を得る為に必要な施策が、非正規雇用、人財流動化、解雇制限の撤廃などではないと思うのは小生だけでしょうか?
又、日本の経済復興を握っているのは、農業・漁業・林業などの第一次産業にあるとも考えています。日本の産物はニッチチャンピオンを獲得する可能性を持っています。一部で企業組織化をして海外進出をしているところもあるかと聞いておりますが、これらの動きを支援するしくみも必要だと思います。思いつくだけでも、種の権利の保護や、養殖技術、植林、伐採方法、流通の確保、消費国への紹介、調理法の伝授など多くの課題があります。これらを纏めて一元化して解決するしくみを提供することも一つの方法だと思います。
一次産業を含めたそれぞれの企業がニッチチャンピオンとして地方で存在している姿を目標とし、各企業がニッチチャンピオンを目指せるしくみ(求人、社員教育、報酬、社会保障、商品開発、グローバルでの商品拡販など)を省庁の垣根を越えて考える必要があるのではなでしょうか?
以上