会社のしくみ 営業雑感NO.224

 今回は、商法に定められたことも含め会社のなすべきことについて考えてみます。最初にあきらかにしておきますが、会社は誰にでも作れます。但し、会社として税金を納める為の申請が必要となります。ここで二つの道があります。一つは、屋号を決めて個人事業主となり青色申告をして事業所得に見合った税を納めます。もう一つが会社を設立して法人となり法人税を納めます。会社には、話題になっている宗教法人や非営利法人であるNPOなど様々な種類がありますが、最も一般的なものが株式会社です。事業にかかわる税については、売上高から経費を引いた利益に定率でかかりますので、税制そのものには、事業税と法人税で大きな違いはありません。個人事業主と株式会社の一番の違いは、いうまでもなく株主の存在です。株式会社は、株主に対して事業内容を公表することが法により義務付けられています。更には、経営者、監査役、執行役など役職とその役割も決められています。これらも株主に会社の経営を分り易くするための規則です。株主は株券を購入して企業に資金を提供し、会社は事業を行ってその利益を配当金の形で株主に返すという関係が本来の株主と企業の形だと考えます。返す返すも株式市場が会社の売り買いの場になっていることは残念です。

 株式会社を動かす為に必要なしくみは、「意思決定」と「業務執行」と「人事評価」の三つと商法には定められています。

「意思決定」

 意思決定は合議制で行われることが義務付けられており、意思決定を行う主要な会議体の運営方法も法で定められています。最高の意思決定機関が株主総会であり、その議長は代表取締役と決められています。株主承認が必須となるのが、前年度事業報告、次年度事業計画、役員人事、事業利益分配(株主配当金、役員報酬)、資本の変化(企業買収、事業提携など)です。株主総会で決められることは、実績評価と次年度業務執行の経営者への委任になります。株主総会に次ぐ意思決定の場が役員会です。役員会の議長も代表取締役です。ここでは、企業経営にかかわるあらゆる事が決定されます。株主総会は年度決算時に行われますが、事業は刻々と変化する市場環境に対応する為に株主に変わって意思決定をするのが役員会ということになります。企業経営にかかわる意思決定とは、とどのつまり、事業収益の確保とその分配を決定することと考えます。

「業務執行」

 業務執行とは、仕事をこなすことにほかなりません。但し、上記の意思決定で定められた範囲の中で行うこととなります。具体的には、予算という形で示されます。お客様との商品の売り買い、製品設計、製造なども予算の中で行うことになります。業務執行を行う為にも様々な決定をすることが必要です。これを意思決定と区別して業務権限という形で示されています。更には、業務権限が部長など上位のものに集中すると何事もお伺いを立てないと何も出来なくなりますので、業務遂行における意思決定を迅速化するために権限委譲というしくみがあります。つまり、職位に合わせて決定出来る権限を予め決めておき、案件に合わせて現場である程度自由に業務執行が出来るようにしています。例えば、値引きは5%までは担当者で決めてよく、10%までは管理職、10%越える値引きは役員というように決めることになります。業務遂行に当たっては、購入や外注など様々な権限がありますので、これらを分野別に職位と権限を明文化したものが権限マトリックスです。業務執行においても、最も重要なことは権限という意思決定にあると考えています。

「人事評価」

 会社における人事評価とは、現実的には利益配分になると考えています。但し、給与は労務費という形で経費として計上されますので、株主や経営者に分配される利益とは異なります。売上に対する労務費は労働分配率という形であらわされ、役員によって意思決定されます。総額が決められた労務費を業務執行の優劣に従って配布するということになります。そこで必須となるのは、評価の公平性と考えております。この公平性を担保するためのしかけが必要となりますので、勤務評定についての明文化が求められています。しかしながら、会社における人材とは人財とも書き換えられるように、単に業績評価だけではなく、社員教育とも深く関係します。新規採用や中途採用などとも関係してきます。小生は「人事評価」とは、人財育成や従業員のやる気と深くかかわるしくみが必須と愚考しております。

 公開された「意思決定」、迅速な「業務執行」、人財育成を目指す「人事評価」これらを明確に分離して組織を運営していくことが、小生の考える会社のしくみと考えています。

以上