スマホとパソコン 営業雑感NO.207

 前回までは、スマホは音声による通信手段として発展してきた電話の進化形ではなく、インターネットという新しい通信手段を武器に、音声を含めたあらゆるデジタルデータを扱える新たな携帯端末として登場してきたことをお話ししました。一見、携帯電話がスマホに置き換わったように見えますが、小生は携帯電話が消滅して、新たな通信手段としてスマホが登場したと捉えています。

 そこで今回は、これまでデジタルデータを扱う機器として主役であったパソコンとスマホの関係を考えてみます。パソコンも小型化・軽量化の流れを追いかけていましたが、キーボード文化からの脱却に至らなかった為に、ノートブック型に進化するに留まっていました。一部、タッチパネルの採用やマウスの普及で操作性の向上を図ってはいましたが、パソコンの盟主であったマイクロソフトには、スマホとパソコンは別分野の機器であり、今のスマホの発想は無かったと推察しています。スマホの世界を大きく動かしたのはアップルでしょう。ご承知のように、アップルの提供するiOSは、パソコンであるMACもスマホのiPhoneも変わりはありません。勿論、タブレット型のiPadも同じです。アップル創業者であるスティーブ・ジョブスは一貫して個人がデジタルデータを手軽の扱える機器を命題ととして設計していたようで、パソコン・タブレット・スマホの区別は無かったように愚考しております。

 スマホにおいては、よくご存じのようにiOSとAndroidが二大勢力となっておりますが、Androidはグーグルが開発提供しています。AndroidもiOS と同様にパソコン・タブレット・スマホ用の共通OSを提供しています。販売戦略の大きな違いはAndroidがフリーソフトとして提供されていることでしょう。アップルは一貫して自社製品開発に拘っており、セキュリティ面では有利に働いています。

 しかしながら、小生が着目していますのは、パソコン業界ではマイクロソフト対アップルという覇権争いがあり、マイクロソフトに凱歌が上がりかけていました。ところが、スマホの登場で、パソコンとスマホの境界線が曖昧になり、アップルが息を吹き返し、更にはグーグルも参入して、パスコンの雄であるマイクロソフトとの三つ巴の戦いに移行したということです。特に、マイクロソフトは、タブレット・スマホの共通OS開発に失敗した感がありますので、各社の競争は単純なOS機能の競争ではないものに変容しています。留意しておきたいのは、これまでに蓄積された膨大な量の様々なWindows上のユーザアプリケーション資産とOffice資産が、マイクロソフトには有利に作用すると思われることです。パソコン上のこれらのユーザ資産をどう移行するのかが、今後の大きなテーマになるのではないでしょうか?

 スマホは、今はまだパソコンの後継とはなっておりませんが、小生は、スマホの登場で、パソコンの将来が大きく変容していくと考えております。つまり個人が使うITの可能性をスマホは顕在化していますが、パソコンが担ってきた企業に提供してきたITツールとしての役割には、明快な解決策が見いだせていません。従って、パソコン後継として新しい何かが登場するように思えます。

以上

2022年8月7日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii