私的職場教育論3 営業雑感NO.194

 今回は、職場教育を行う職場環境や心構えについてお話をして、職場教育論の最終回とします。働く上で必要とされるスキルには、知識と能力の二つがあると考えています。これまでは、集合教育や資格取得など知識面での組織支援が先行していましたが、小生は能力育成こそが職場教育の主眼と考えています。能力育成面では、OJT(On-the-Job Training オン・ザ・ジョブ・トレーニング)やコーチングなどが広く知られています。これらの手法を用いてトレーナ制度を導入し、新人教育をおこなっている企業も多いと認識しています。しかしながら、知識面は試験によって知識習得の評価ができますが、能力面での評価方法が確立していないことあり、教育としてのしくみがうまく機能していないと感じていました。iCDと出会ったことで、評価方法の一つの答えが職場で用意するスキル表を用いて自己評価や上司やリーダによる評価が出来ると考えました。更には、各人の評価表を組織全体のスキルマップとして活用することで、これまで人事評価の一環であったことが多かった能力評価を、人事評価とは独立した能力教育の評価として可視化出来ると考えた次第です。

 一方、能力面の職場教育における指導者と被指導者の関係は、教師と生徒という一面的な関係ではなく、組織内での相互啓発という多面的な関係であると考えています。その意味では、塾や徒弟制度のような仕組みに近いと愚考しております。更には、教育と業務遂行は表裏一体であり、日常業務遂行の中にも能力教育が内在しており、日常業務の中で能力教育を発揮する一番の場面が「ほうれんそう(報・連・相)」だと考えています。「ほうれんそう」については、これまでにも度々話しておりますが、上司は「ほうれんそう」の結果として部下に対して行動指示を出すことを旨とすべしとお話をしておりました。つまり、能力教育の面からは、この行動指示とその評価の中に能力教育があると考えた次第です。

 「ほうれんそう」を核とした職場教育を充実させる為には、企業の価値観を共有することが重要と気付きました。この価値観共有が具現化したものが社風ではないでしょうか?社風は一朝一夕で醸成出来るものではありません。しかしながら、社風を醸成するためには、企業理念(ビジョン)と行動指針が必須と愚考しております。加えて、各組織のスキル表を作成する為にも組織のビジョンが必要です。組織ビジョンは企業理念(ビジョン)を分解して創るとお話をしました。但し、企業理念(ビジョン)と組織ビジョンの一番の違いは掲げる時間です。組織は戦略に従って、柔軟に変わりますので、組織ビジョンは都度変化します。

 最後に、小生の考える職場教育のあるべき姿を纏めます。

・企業理念と行動指針を明文化する。

・組織運営の基本としてビジョンメイクを行う。

・組織ビジョンを実現する為に必要とされる能力をスキル表として明文化する。

・スキルマップを作成し、組織能力と構成員の能力を可視化して教育目標の明確化と評価をルーチンワークにする。

・相互啓発を旨として。日常業務遂行における「ほうれんそう」を充実する。

以上