私的職場教育論2 営業雑感NO.193

 今回は、小生の職場教育の根幹と位置づけでおりますスキルマップの活用方法について,お話をします。尚、このスキルマップの考え方は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が提供するi コンピテンシ ディクショナリ(iCD)に沿っております。IT関連の標準スキル項目やスキル採点表などの各種ツールも揃っておりますので、ご興味のある方は、Webなどでご参照ください。

1)スキルマップの効用

 スキルマップは、組織で必要とされるスキルについて、出来るか?否か?を基準とした組織構成員全員の評価が一覧表として明示されます。その結果、組織のスキルに関する二つの項目が可視化されることになります。

・組織全体としてのスキル面からみた強みと弱み

 各人のスキル点数を組織単位でスキル項目毎に集計することにより、組織において必要とされるスキルのバラツキが点数であきらかになります。

・俗人化の明確化

 俗人化の問題は、組織における永遠の課題ともいえます。スキルマップを活用することで、個人単位だけではなく、スキル単位で俗人化を明確にすることが出来ます。

2)スキルマップを使った職場教育の運用方法

 小生はスキルマップを管理職含めた組織構成員全員へ公開することを前提としております。各人のスキルレベルを管理職以外に公開することに異論を持つ方もおられるとは思いますが、今回は、公開前提でのしくみとご理解ください。

準備段階 自己評価

 各スキル項目について、最初に各人に自己評価をして頂きます。個人によって謙遜や誇張など評価の個人差が出てくると思いますが、そのままで評価をして頂きます。そして、自己評価結果を公開することで、個人評価のバラツキについて自覚を促します。

第一段階 組織スキル獲得目標の設定

 自己評価の組織集計を基に、管理職は、強み伸張、弱み克服、俗人化解消など、組織としてのスキル獲得目標を設定します。

第二段階 個人面談

 この面談での主眼は、個人目標の設定です。管理職は組織目標を鑑みて構成員毎のスキル獲得目標を設定し、各人との合意形成を行います。いうまでもなく、目標は、特定のスキルについて、評価軸として決めた事項のレベルアップになります。○○が「補助を受けて出来る」から「一人で出来る」になるというように目標設定を行います。尚、スキル項目における自己評価と上司評価の違いについて話すことも必要ですが、自己評価ベースでのレベルアップでも構わないと愚考しております。但し、ここでの評価を昇格や昇級に直結させる場合には、「出来る」「出来ない」について具体的に話して合意をとることが必須と考えます。

第三段階 途中評価

 四半期や半期単位で自己評価を行い、目標の達成度合いを可視化します。ここでは、目標設定されていないスキル項目についても自己評価を行うことをお薦めします。業務都合などで、必要に迫れられて獲得したスキルや、自己研鑽で獲得したスキルもあると思います。

第四段階 最終評価

 年度が終わってから自己評価を行い、組織全体での前年度からの変化を可視化します。スキル獲得における最終評価は個人面談ではなく、スキルマップの前年度対比を部会などの会議体の議題として、組織員全員で総括するほうが、業務多忙などスキル獲得における組織課題の明確化にも有効と考えています。

 評価会議の後、第一段階に戻り、年度毎にこれを繰り返すというのが、小生の提唱する職場教育のしくみです。

以上