今回は、当たり前に内包される課題について整理します。大きな課題としては、以下の二つになります。
第一課題 当たり前とは、地域、業種、業務など限定された領域で通用するものだということです。更には、スポーツや職人などプロフェッショナル個人に特定されるものもあります。従って、異なる領域の方にとっては当たり前ではないという課題を必ず持っています。
第二課題 当たり前とは、業務の効率化に寄与している為、QCDの観点では省略や、無意識化されている作業があるということです。
第一課題の限定領域に限られるという点について、先ず留意すべきことは言葉です。業界用語のように他業務の方からは全く理解できない言葉があります。加えて、同じ言葉でも意味が全く異なることも多いものです。従って、当たり前のことをする場合にも、前提として言葉についての共通理解を得ることが必要です。次に留意すべきことは、当たり前の前後にくる業務や作業についての理解です。例えば、指さし確認作業ですが、同じ作業でも、車掌さんの行う指さし確認と工場の製造ライン担当者の行う指さし確認では、確認すべき事項も異なりますし、異常発見時の対応などについても異なります。業務における当たり前は、業務の流れの中に存在しますので、業務の流れを理解していることが必須となります。ご自分が理解している当たり前は、多くの場合、他領域の方には通用しませんので、その背景にある言葉や業務の流れを他領域の方に説明出来るように理解しておくことが必要となります。
第二課題の業務効率化での留意点は、作業目的と付加価値を理解しておくことです。当たり前になった作業は習慣化していることもあり、その目的を理解していないことも多いものです、何の為に行っているのかを、明確に理解しておくことが重要です。更に着目すべきことは付加価値になります。目的とも緊密に関係しますが、作業の中の付加価値も理解しておくことが必要です。よくいわれる事例ですがネジ締め作業のおける付加価値とはネジを締める作業だけであり、ネジやネジ回しを用意し、穴を確認する作業などは付加価値を持っていません。当たり前となった作業には、付加価値以外の作業が省略化や標準化がなされている筈です。当たり前となった背景にあった付加価値を極大化するために解決した課題についても理解しておくことが必要となります。
以上のように当たり前となった作業には、当たり前にする課程において、検討された事項が多く含まれております。ところが、当たり前となってから理解した方は、その背景を理解していないことも多いものです。当たり前となっている作業についても、その作業の持つ付加価値と前後の作業との関係性を理解しておくことが肝要です。更には、当たり前は、いわば方言であり、特定分野に限定されたものであることを理解しておくことが重要です。異なる分野の方に当たり前を説明する際には、その背景となっている特定分野独特の言葉や業務の流れも合わせて説明する必要があります。
以上