メガバンクでのシステム障害多発が話題になっております。今回は、その原因の一つとして疑われておりますマルチベンダー対応について考えてみます。
ITは技術革新が早い為に、メーカやベンダーの新製品の技術力が大きな差別化要素となりますので、他社製品との連携は後回しとなる傾向が今後も続くと愚考しております。一方で、オープン化の流れも止まらずフリーソフトも充実すると考えますので、顧客側でのマルチベンダー対応は必須になります。
マルチベンダー対応を行う場合に、留意すべき点は、システム間の連携部分に関することにつきます。以前と異なり独自システム開発を行うことは少なくなり、業種・業務PKGを組み合わせることになりますので、PKGベンダーとの調整が中心になると思います。その為、システム導入の目的に合わせて主体となるPKGベンダーを決めて連携部分を決めることになります。PKGベンダーの姿勢には、他システムとの連携をよしとするベンダーと自社システムとの連携に拘るベンダーの二種があります。加えて、他システムとの連携を良しとしていても、連携部分の開発は自社開発を優先するベンダーと、インターフェース情報を公開し、他ベンダーに開発を任せるベンダーに分かれます。上記のようなベンダー姿勢を事前に確認しておくことが重要になります。ITシステムにおいては、残念ながら、今後の方向性としてインターフェース部分の標準化を目指してはおりますが、システム間連携についての標準化は遅れております。従って、マルチベンダー対応といえども、ユーザが自由に組み合わせることが可能な状況にないことを理解し、システム連携におけるユーザ責任範囲を把握することが必須となります。
参考までに、マルチベンダーのシステム連携における開発・テスト・運用のそれぞれの段階で留意する事を大まかに整理しておきます。内容によっては、自社にそのスキルが有るか否かの判断も必要です。
・開発段階
システムインフラ(OS/ミドルウェア)のバージョン含めた統一、API有無、DB公開有無、データ連携方式(CSV,EXCELなど)など
・テスト段階
連携実績有無、テスト仕様有無、テスト環境有無など
・運用段階
システム改変頻度、システムインフラ最新バージョン対応方針、サポート体制、障害切り分け方針、バックアップ基準有無など
小生は、マルチベンダー対応において、最も重視すべき段階は運用段階だと愚考しております。セキュリティ対策や事業継承の観点でも、運用段階における体制や基準を明確にしておくことが必須です。マルチベンダーを採用するか?否か?の判断についても自社含めた運用体制次第とも愚考しております。一般的には、自社PKG及び自社開発に拘るベンダーを採用すれば、運用含めてバンダーに任せることが可能になります。一つ留意頂きたいことは、マルチベンダー採用に関するスキル不足などの理由でマルチベンダー対応に特化したシステムベンダーやコンサルを採用した場合、そのベンダーの運用段階でのサポート体制を確認しておくことです。マルチベンダー対応の開発段階に指揮したベンダーが、運用段階でも一次窓口となることが基本と考えます。
尚、上記はサーバ導入の場合が前提となっていますが、今後は、クラウドサービスを併用する場合が増えてくると考えます。その際の留意点については、開発段階での確認事項が殆ど無くなるだけで、テスト段階、運用段階での確認事項は変わりません。運用段階については、ユーザ責任が多くなると思います。
長年、IT業界においては、導入時ビジネスが重視されて、運用ビジネスについては、導入時ビジネスの添付ビジネスのように、売る側も買う側も意識していたことの弊害が大きくなり、マルチベンダー対応におけるユーザ責任が曖昧になっているように感じます。
以上