仮想化 営業雑感NO.177

 仮想化というとVR(バーチャル リアルティ 仮想現実)が注目されていますが、仮想化というテーマは、ITの世界では古くからありました。最初に、小生が接した仮想化がVS(バーチャル ストレージ 仮想領域)でした。IBMの汎用機OSで登場した機能です。それまでのコンピュータではプログラムの中で、プログラムが使用するメモリ領域を規定する必要があり、その容量はハードの実領域の範囲内で規定することになっていました。従って、ハード容量次第でプログラムの限界が決められる為、大きなプログラムは、いくつかのプログラムに分割する必要がありました。VS機能は、このハード限界を拡張させるもので、実領域とは別に仮想領域をOSが用意して、プログラムは容量を意識することなく作成出来るようになりました。ある意味、ソフトのハードからの独立を保証した機能ともいえます。この機能は、その後のパソコンなどのOSでも一般化されています。

 次に登場したのが、VM(バーチャル メモリ 仮想記憶)で、こちらはプログラム領域ではなく、データ領域の仮想化を実現しました。VMがなければ、データが巨大化するマルチメディアという概念は生まれず、今のDXも登場しなかったと思います。この技術もいまでは一般化しております。

 その後、ネットワーク、入出力命令も次々にバーチャル化されて一般化されました。クラウドサービスでも仮想サーバなど、仮想化技術は必須となっています。前回、分散と集中という技術の方向性をお話しましたが、仮想化もITに内包される必須課題だと愚考しております。

 上記のように、仮想化とITの関係は、ITを使用する際に必須となるプログラム作成に大きく関わっています。ITシステムに関わる関係者は、ハードウェア開発者、OS/ミドルウェアなどのソフトウェア開発者、ハード・ソフトの上で動作するアプリケーションプログラム作成者、システム利用者の四つに大別されます。仮想化は、アプリケーション作成者に寄与する機能として、ハードウェア開発者とソフトウェア開発者によって検討されます。今後、DXの進展に伴いITが当たり前の存在になっていくことが想定されます。ITシステムの利用価値を決めるのは、いうまでもなくシステム利用者です。現在は、アプリケーションプログラム作成者とシステム利用者は別の人間ですが、ITシステム利用者が自分の使いやすいようにアプリケーションプログラムを自分自身で作成出来るようになれば、最高のITシステムを手に入れることが容易になります。現在は、各種アプリケーションパッケージやゲームソフト開発者に代表されるようにプログラム作成者が注目されていますが、究極の仮想化としてシステム利用者自身がプログラムを簡単に作成出来る機能を実装出来る時代が来るように愚考しております。尚、究極の仮想化を実現する為には、プログラム作成者の仮想化技術開発への参画が必須となります。この開発が進展するために、ITのビジネス構造が大きく変革されるかもしれません。

以上

2022年1月9日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii