API 営業雑感NO.173

 今回は、前回の標準インターフェースの中でも、システム開発者にとって最も重要と小生が考えるAPI(Application Programming Interface アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)についてお話しします。

 APIは、いうまでもなく標準インターフェースの最上位に位置するアプリケーション層に属します。90年代に登場したAPIは、各システムの持つデータベースを読み書きするものが殆どでした。従って、当時のAPIの利点は、異なるシステム間でリアルタイムにデータ交換が出来るというものでした。在庫管理システムを例にしてお話しします。

 APIを持たない場合は、商品や部品の入出荷情報は在庫管理システムに画面などで入力することになりますが、倉庫からの入出荷をシステムに記録するだけになります。従って、販売管理システムや生産管理システムの出荷指示や入荷予定の情報と関連を持つ為には、それぞれのシステムから定期的にデータを取り込むしくみが必要でした。但し、毎日データを取り込んだとしても販売管理システムや生産管理システムでは、前日の倉庫の在庫情報を活用することになります。

 一方、入出荷に関するAPIがあれば、販売管理システムや生産管理システムからこのAPIを使うことで出荷指示や入荷指示を、それぞれのシステムに入力したと同時に在庫管理システムにも入出荷情報を入力することが可能になります。商品を販売した時点で在庫確認も出来ますし、在庫管理システム側でも入出荷情報を入力する工数が削減されます。

 このようにAPIを活用することで、関連するシステム間で緊密に連携することが可能となります。加えて、それぞれのシステムは、他システムの影響を受けることなく独立して検討することが可能になります。上記の例で自動倉庫を導入する際には在庫管理システムを改修するだけで、販売管理システムや生産管理システムを改修する必要はありません。勿論、在庫管理システムのAPIを変えないことが前提です。

 ところが、インターネットの普及によりAPIもその持つ意味合いが大きく変わってきました。上記のようにシステム間連携の為のしくみであったものが、HPへの機能埋め込みも可能になったことで、その用途と重要性が高まりました。分り易い例でお話をしますとGoogleMAPのAPIが公開されているため、お店や会社のHPでは、これまで独自に作成していた地図や案内図をこのAPIを使って手軽に表示することが可能になりました。又、GoogleMAPがストリートビューなどの動画機能を実装すれば、各社HPでも同様に使用することが可能になります。アマゾン、マイクロソフト、アップルなどネット企業の大半が様々なAPIを提供しています。これらのAPIがオープンソースとして無償で提供されている点も見逃せません。APIの世界でもディファト争いが熾烈化しています。

 加えて、中国が人民元のネット決済APIを国家が補償して登場させて話題になっていますが、本人認証付きログインAPIや各種決済API、各種認証局APIなど、セキュリティ面を重視したAPIも多数登場しています。これらのAPIはクラウドサービスとして一元管理されている為、充分なセキュリティが担保されています。それぞれの企業がセキュリティ面を考慮してシステムを構築するより、これらのAPIを利用することで手軽により強固なセキュリティを確保することが可能になります。今やAPIはシステム間連携ツールからネット社会の必須ツールとして進化していくように思われます。

以上

2021年12月5日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii