アプリ 営業雑感NO.174

 今回は、スマホの普及で一般的になった「アプリ」について考えてみます。アプリとはいうまでもなくアプリケーションソフトウェアの略称です。初期のころのコンピュータシステムでは、コンピュータを制御するソフトウェアをOS(オペレーティングシステム)、OS上で開発される業務システムなどのソフトウェアをアプリケーションと呼んでいました。70年代のITの構造は、先ずハードウェアとソフトウェアに二分され、ソフトウェアは、ハードウェアメーカの開発するOSとユーザが開発するアプリケーションに二分されるというシンプルなものでした。

 80年代にアンバンドリングという動きがあり、それまでハードの添付品であったOSに価格が設定されてハードウェアとソフトウェアが独立して販売されるようになりました。但し、ハードとOSは同一メーカが提供していましたので、OSを開発するのはハードメーカという構造に変化はありませんでした。これらの動きを演出したのはIBMです。但し、この時代に、これまでOS機能のひとつであったデータベースや運用管理などのソフトをミドルウェアとして開発するメーカが登場します。その代表がオラクルです。ミドルウェアとは、OSとアプリケーションの中間に位置するソフトウェアのことです。

 この頃からアプリケーションは、特定OSに依存することなく独立して動く事を目指すオープン思想が登場します。それまでのアプリケーションは、メーカを変更すれば、最初からプログラムを作成し直すか、コンバーションという手法で前メーカOSに依存していた部分のプログラムを新メーカOSで動作するように書き換えることをしていました。

 90年代に入るとOSの国際規格であるUNIXが登場しOSメーカも生まれます。更にはパソコンの登場で、マイクロソフトがパソコンOSメーカとして君臨し始めます。この頃からアプリケーションのハードメーカ依存からの独立に拍車がかかるようになります。アプリケーションをOSやミドルウェアから独立したパッケージとして販売するパッケージベンダーが登場しました。一方で、フリーソフトという考え方が登場し、オープンソフト=無償という概念も定着化し始めます。

 今世紀に入り、インターネットの普及に伴いアプリケーションは、独自の進化を始めます。自動車や電化製品などにも組み込みソフトウェアとして搭載されるようになり、スマホにも搭載されるようになりました。スマホのOS代表がAndroidです。Androidは、UNIXからオープンソフトとして派生したLinuxと互換性のあるOSで、勿論オープンソフトです。これに対抗しているのがAPPLE社です。iOSとしてハードとソフトのセットで提供しており、IT初期の頃のコンピュータメーカと同じビジネススタイルです。従って、アプリ側ではAndroidとiOSの双方に対応することが要求されています。

 尚、LINEやGoogleもアプリです。これらのアプリはOSの違いを吸収している上、電子決済や表計算ツールなどの他のアプリケーションを動かすことも可能になっています。これらのアプリをスーパーアプリと呼び、ミドルウェアの機能を内包しているアプリといえると愚考しております。

 現在、圧倒的に多いスマホのアプリはインターネットを介して特定の企業やサービスを利用するためのものです。本来、インターネットでは、IEやChromeなどブラウザと呼ばれるインターネット上の情報を見る為のツールがあれば閲覧可能ですが、アプリを使って閲覧することで会員管理やアラームメールなど決め細かい操作が可能になります。その為、各社が顧客囲い込みツールとして活用しています。会員カードのDX版と捉えていただいていいかと思います。

 前回お話ししましたAPIと一体となって開発されるアプリの世界は、今後、大きく進展していくものと考えております。OSやミドルに換わってアプリがソフトウェアの主役となる時代がくるのかもしれません。

以上

2021年12月12日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii