三菱電機で検査データのねつ造が発覚しました。ブランド力のある企業における品質詐称ですし、以前、三菱自動車でも同様の検査不正がありましたので、三菱グループとしての信頼回復が急がれると考えます。赤木ファイルに書かれた公文書ねつ造に続き、一流企業における文書偽造です。社会の信頼性を疑う事態とも考えます。そこで、今回は、情報の質について私見を纏めます。
情報の質についての評価基準は単純で、嘘か真かの二者択一です。しかしながら、それを見分けるのが難しいというのが、現実ではないでしょうか?本来、公文書や一流企業の検査報告書となりますと、真の可能性が高いということになります。従って、情報の質とは、情報そのものの質で判断するのではなく、情報提供者の信頼性に関わると愚考しております。
情報提供者の信頼性については、これまでは、TV・新聞などのマスコミ報道や週刊誌や書籍など紙媒体が中心でした。紙媒体では、昔から継承された編集や構成というしくみがあり、公開までにも内容の吟味検証がなされていました。又、情報提供者についても、個人というより組織で評価することが多かった為、情報の質に関する内部統制もあったと思います。このようにして、情報の質について担保されていました。
ところが、インターネットの普及で、媒体がデジタルに変わり、SNSに代表されるように情報提供者が個人にシフトしてきました。誰でも気軽に情報をネット上に提供出来ます。その動きは急激で、瞬く間に世界中に広まり情報の信憑性を評価するしくみが追いついていません。以前、お話ししましたが、インターネットは「at your own risk」という思想で運営されていますので、情報を受け取る自分自身で情報の真偽を評価するしかありません。しかしながら、写真なども簡単に修正出来るソフトがありますので、故意に間違った情報を発信することも容易です。最終的には、情報そのものよりも情報発信者を信頼するしかありません。更には「人は知りたい事、聞きたい事を信じる」という傾向があることを自覚することも必要です。SNSでの拡散や、悪意の連鎖などはこの特性によるものと考えています。
インターネット上での情報の質について、具体的に取り組んでいるのが「Wikipedia:ウィキペディア」です。ご承知のようにウィキペディアは、インターネット上の百科事典ですが、従来の紙媒体の辞書とは異なり、誰でも投稿は出来ます。但し、その投稿は、何人かの評議員によって評価され、問題のある記述については注釈が入れられます。又、良質な投稿を行う方には称号が与えられます。紙媒体の辞書とよく比較されますが、私は、全く別物と捉えています。調べる立場から言えば、用途は同じですが、情報提供のしくみは、全く異なります。インターネットの特長は、オープンとリアルタイムですから、その特性をフルに活用した情報です。一方、辞書そのものも電子辞書としてデジタル化されています。最終的には、利用者が選択することになると思いまが、辞書が無くなることは無いと思います。尚、今のところ、ウィキペディアの情報の質への取組は成功しているように思います。
最後になりますが、情報の質の本質が情報提供者にあるとお話をしました。情報は、紙やネットだけではなく日常のコミュニケーションによってももたらされます。その意味では、良好な人脈形成が最も有効な情報獲得手段だと愚考しております。インターネット時代の情報の取扱については未成熟です。ネット上での人脈形成についても、これからだと考えております。いずれにしても、情報提供者の質を支える資質は、知識もさることながらモラルにあり「自分に恥ずべきことはしない」が大切なのだと愚考しております。
以上
2021年7月4日
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カテゴリー : 閑話休題
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投稿者 : csf-ishii