公文書 営業雑感NO.151

 今回からITの対象である「情報」について、いろいろと考えてみます。最初は、「赤木ファイル」として話題になっている公文書について、私見を纏めます。

 先ず、公文書の定義です。広辞苑では「国・地方公共団体の機関、または公務員が職務上作成する公式の文書。」となっています。では、何故、公文書が存在するのか?です。小生は、公務員とは税金で雇われた公僕ですので、その意思決定を後世に残す為と考えています。従って、公文書とは後世の人達に、現在の人達が残す公的な意思決定の証拠だと考えています。

 中国では、昔から前王朝の歴史を編纂する義務が現王朝にあるとの考え方で「秦史」「魏志」「宋史」など歴代王朝の歴史が残されています。現王朝に編纂された前王朝のこれらの歴史書が正史です。いうまでもなく、正史は、公文書から読み取られて編纂された歴史です。公文書とは歴史の断片としての役割を持っています。余談になりますが、「清史」は、中華民国後継として台湾政府が発表しておりますが、中華人民共和国は、これを認めておりません。

 以上のように、公文書は犯し難いものであり、改竄などあり得ないもの筈でした。ところが、「赤木ファイル」には、明確な改竄指示とその改竄内容の概要が記されています。「赤木ファイル」そのものは、公文書としてはグレーだと愚考しております。DXが進展していく中で、公務員の作成するメールやSNSに残されたコミュニケーション情報や、メモ、Excellなどの公文書作成の補助資料をどのように扱うのかを法律で決めるべきだと考えます。本来、国会では立法府として、発生した問題に関するこれらの法整備をして貰いたいものです。

 横道にそれますが、今回の公文書改竄については、改竄の事実は裁判所で認定されたにも関わらず、刑事罰は改竄をおこなった担当者にのみ問われ、それを指示した、関わったと思われる方々には、全く及んではいません。これは、法の限界であり、引いては立法府の問題と言わざるをえません。小生は、一番の問題は、モラルだと考えています。補助金詐欺など公務員のモラル低下が顕在化しています。高いモラルを維持する為には、TOPがそれを示すことでしか達成出来ません。公務員TOPの大臣となる政治家には、政策内容よりもモラルを重視してもらいたいものですし、「自分に恥ずべき事をしていないか」を真摯に考えて頂きたいものです。但し、民主主義においては、モラルも含めて選挙民と同じレベルだと考えますので、我々次第とも言えます。

 公文書については、公開時期や公開方法などに関する規定も決められています。これについても、我が国の法律は曖昧さが残っていると感じています。公文書毎に公開時期は決められていますが、国会や開示請求で提出された文書には、黒塗りがあります。個人情報保護への配慮ということがよく述べられますが、公開内容についても、明確な規定が必要と感じています。又、本来の法的解釈からいえば、個人情報保護法の制定以前の公文書には、その影響は受けない筈です。今は、政府・官庁・自治体にとって、都合の悪いこことは隠すということが、余りに大っぴらに行われているように思えて仕方ありません。米国においては、明確な公開基準があり、原爆投下指示やケネディ暗殺に関する公文書の公開期限が迫っています。その時が楽しみです。日本においても、日米安保、日ソ和平、ロッキード事件、戦後の多くの事件についても、時期がくれば、その研究の端緒となる筈です。今回のコロナ禍やオリンピック問題についても検証できる筈です。多くの公務員の良心と膨大な公文書に期待しています。

以上

2021年6月27日 | カテゴリー : 閑話休題 | 投稿者 : csf-ishii