DX(デジタル化)(3)運用規定 営業雑感No.145

 今回は、業務のDX(デジタル化)において、最も重要と考えております運用規定について私見を纏めます。ITシステムは言うまでもなくツールです。ITシステムがツールである以上、そのツールを使いこなす為の使い方や規則を決めておくことは必須です。小生は、これらのことを運用規定と呼んでいます。最近では人口知能などと言われておりますし、以前からもコンピュータシステムというと業務自動化システムのように考えておられる方も多いと思われます。しかしながら、あくまでのプログラムで指示されたとおりに動く機械です。この原理は、クラウドサービスでもAIでも変わりません。この先、いかなるITシステムが登場しても同様です。ITシステムと運用規定は、常にセットで考えるものです。

 一方、業務の効率化や自動化に向けては、ITシステム化する以外にも運用を見直すことでも実現できます。運用による業務見直しにおける代表的な手法は複数の書類を一つに纏めることです。モジュール化といわれている手法です。例えば、業務日報と交通費精算書の二つの書類があった場合に、どちらの書類にも、申請者の所属部署、氏名、訪問先、訪問時間などの同一情報が存在する為、それを一つの書類に纏めることだけでも申請業務の効率化は図れます。但し、この場合、申請を受け取る側の手間は増えるかもしれません。そこで、申請データをデジタル化することで受け取る側の効率化を考えることで業務のデジタル化が始まる場合もあります。業務のDXにおいては、帳票に着目し、ITシステム化と業務見直しの両面で実施されます。従って、運用面での業務見直しについてもITシステムの運用規定に包含して表現されることになります。

 そこで、DXの運用規定において考えるべき事項を整理しておきます。ITシステムの運用規定は、本来、書くべきことが決まっていますので、それを踏まえたものになります。

1)DX化の狙い

 一言で業務効率化と言っても、時間短縮、コスト削減、品質改善、などQCDの観点でも様々です。従って、何を狙ってDXしたのかを明確にしておくことが必要です。

2)ユニークデータについての規定

 ITシステムでは、従業員番号や顧客番号、伝票番号などデジタル情報をシステム内で唯一の情報と認識する為のしくみが必須です。その為、唯一とするための運用規定を決めておくことが必要です。伝票番号などシステムが自動採番するものと従業員マスタなど人が管理するものに分けて、人が管理するものについては、管理者を決めて、マスタ内容でも管理者だけが追加・修正・削除が出来る情報を規定します。

3)利用者の規定

 システム利用者を定義して、利用者ごとの情報取扱権限、閲覧のみ、修正可能など、一般的に利用者権限を決定します。ITシステムが利用者権限を決めるしくみを持っているものが多いですが、運用規定で決めるしかないものもありますので要注意です。

4)データの規定

 氏名欄を例にとりますと姓と名前の間に空白を空けるなど、データを入力する際の規定です。プログラムで判断させることが一般的ですが、運用規定に纏めておくことが必要です。特に、備考欄など、自由入力の項目では、その項目に書くべき情報も規定しておくことが必須となります。

5)バックアップの規定

 誰が、いつ、どこに、いつまでシステムデータを保管するのかを決めます。情報によっては、経理伝票のように法律で保管期間が決められているものもありますので、それを踏まえて決定します。

 以上が運用規定として纏める枠組みです。尚、事業継承や情報セキュリティに関する規定もこの運用規定に包含されますので、DXの運用規定次第となります。

以上

2021年5月16日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii