コロナ禍の中で、ITシステムの整備遅れやシステム障害などの話が目立ってきています。又、省庁のデジタル化の遅れについても、いろいろとマスコミで取り上げられております。そこで、今回から、仕事のDX(デジタル化)について纏めてみます。
最初に、仕事のデジタル化の定義について考えてみます。仕事がデジタル化された状態とは、どのような状態になればいいのでしょうか?以前、「仕事の成果はOUTPUTに顕れる」とお話をしました。その意味では、対象となる仕事の出力帳票がデジタルデータとして残せる状態になることが第一と愚考しております。紙帳票をExcelやWordなどに手入力で打ち込んでも帳票のデジタル化はなされます。しかし、これだけでは仕事のデジタル化とはいえません。なぜなら紙帳票を作成する過程こそが仕事であり、それを後で入力するということはデジタルデータを作成する仕事が増えただけです。前回、お話ししましたように、電化は、省力化 → 時間短縮 → 小型化 → 無人化 と進化します。デジタル化も同様です。小型化については、ポータブルととらえ、今まさに検討されている在宅勤務に代表される事務所レスと考えて下さい。その意味でも、第一段階である省力化も実現出来ていません。「業務のデジタル化とは、デジタル化された情報を流用・計算し、効率的に帳票をデジタルデータとすること」と小生は考えます。
そこでデジタル化に向けては、帳票の作成手順を考えなければいけません。帳票が完成するまでには、以下の三種の性質を持ったデータが存在します。商品の納入伝票を例に考えてみましょう。それぞれの種別に従ったデジタル化の方式があります。
1)帳票を作成する時点で明らかになる情報(作成日時、作成者、申請者など)
その場で入力するしかありません。その際に帳票に記入すべき作成時間は、システム時計から自動で取得するなど、省力化や自動化などを検討することになります。音声応答や画像なども検討対象です。
2)帳票が作成される以前に明らかになっている情報(商品名、顧客名、発注数など)
これらのデータは、一般的にマスタと呼ばれる様々な帳票で繰り返し使われるデータとして扱われます。但し、発注数のように受注伝票のような他の帳票で作成されたデータを継承して使われるデータもあります。これらのデータのデジタル化の鉄則は二度打ち回避です。デジタルデータでは一度入力されたデータを、システム全体でどのように使い廻すか?が鍵です。又、蓄積されたデータは、そのデータを識別する為に、他データと区別をするためのユニークコードが必須となります。このユニークコードの桁数や発番ルールなどのコード設計をすることが必要です。
3)帳票を作成する時点で計算される情報(合計金額、合計数量、消費税額など)
これらのデータ計算は、コンピュータの得意とするところです。これまでは論理的に計算されるデータだけが対象となっていましたが、AI技術の進歩で論理が曖昧でも答えを導き出すことが可能になっています。いずれにしても大切なことは、入力された情報・蓄積された情報・導き出される情報の関係を論理的に明示することです。AIを活用するにしても関係性を整理することは必須となります。
デジタル化に向けての業務把握の第一歩は、一つ一つの帳票を分析することです。業務とは帳票の繋がりです。「木を見て森を見ず」との言葉がありますが、デジタル化に向けては木を見ることから始めることになります。
以上