今回は、前回も少しふれましたIOT(Internet of Things)について整理してみました。インターネットは、今でこそ当たり前になっておりますが、登場したのはわずか20数年前です。それまでのネットワークと言えば電話回線網が最も普及していました。電話回線網はご承知のようにケーブル接続が基本であるうえに、音声の伝送を中心としていました。文書を送るにはテレックス網というタイプライタを端末とするネットワークも別に存在していました。その後、テレックス網はFAXの登場で電話網に吸収されました。ご承知のように電話網は電話番号で識別されます。従って、電話網の最大の弱点は、ケーブル接続という有線のしくみが前提となっていることと、電話番号の桁数だけしか接続出来ない仕組みであることでした。
そこで登場したのが、最初からデジタルデータを前提とし、音声・文書・映像などあらゆる情報を一元化して通信出来るしくみとしてのインターネットです。ソニーのウォークマンを駆逐したアップルのiPodもインターネット接続が前提となっていました。最初は、コンピュータのデータやメールを中心とした文字系が中心でしたが、コロナ禍で一気に普及した感のあるTV電話や映像配信など様々な情報が飛び交うようになりました。
インターネットの特長はいろいろありますが、有線と無線の区別がありませんし、建物内で使われるローカルネットワーク同士の接続も容易に行えます。横道にそれますが、ローカルネットワークはイーサネットというゼロックスの開発した通信技術をベースとして標準化されておりインターネットとの接続が前提とされています。
インターネットに接続するには、IPアドレスという電話番号に変わる識別番号が必要です。電話番号で課題となった接続台数の制限ですが、これまで約43億であったものが、一気に約340澗(億、兆、京、垓、𥝱、穣、溝、澗)にまで増える技術に変換されています。IPv6と呼ばれている技術です。
小生、インターネットが登場した際に、これからは「インターネットに繋がらない機器はITに非ず」ということになるでしょうと説明していましたが、IOTと言われるようになり主役の立場が逆転し、「インターネットに繋がる機器は、全てIT」という時代に変わったように思います。これまで、ITといえばコンピュータが主役でしたが、今後はインターネットが主役で、コンピュータも家電も自動車も電話も全て同じネットワーク端末という時代が来るのだと思います。例えば、手元のスマホで家の鍵をかけたり、ペットに餌をやったりすることは既に始まっていますが、車が自動運転になれば、車を今いる場所に呼ぶことも可能になりますし、自分のパソコンからスーパーコンピュータに処理を依頼することも出来ます。健康診断からお店の予約まで、日常生活のあらゆることがインターネットを通じて行えます。企業の仕事においても、商品説明から始まり、請求、振込なども人手を介さずに行うことが可能になります。
IOTを迎える我々が気を付けないといけないことは、使い方にあると思っています。これまでのITの世界では、システムの機能やスピードなど性能面を重視してきましたが、これからは使い方を工夫する時代になると考えています。加えて、いろいろな物が繋がっているわけですから、それらを組み合わせることも容易になります。一つのシステムに全てを求めるのではなく、いろいろなものを組み合わせて使うことで、求めるものを実現することになるのだと思います。従って、使い方を覚えることが必須となりますので、使い勝手のいいものが選ばれるようになる筈です。アップル創業者のスティーブ・ジョブスは、直感で操作できる操作性を追求し、マニュアルの要らない装置を目指していました。まさに、その発想が重要になると考えています。今は未だ、IOTで成熟した商品は少ないのですが、いずれは使い方の簡単なものに淘汰されていくでしょう。その為にも、何がしたいのか?どう使えれば便利なのか?を自ら考える力が、使う側に求められると思っています。
最後に、気を付けなければいけないことをお話ししておきます。それは、いうまでもなくセキュリティです。IOTの世界では、自由に繋がることが大前提ですので、基本的に全ての情報は公開されているという前提で使うことが必須だと思います。オープンにしたくない情報は、ネットに繋がないということを考えるしかありません。安易にクラウドに全ての情報を保管することに、小生は抵抗を感じています。個人情報保護法などネット社会に向けて法整備もこれからです。新商品や新サービスに直ぐに飛びつくのではなく、法整備と共に自己のデータを簡単に保管できるツールの登場を待ちつつ、便利なものだけを使いたいと思います。
以上
2020年11月29日
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カテゴリー : ICT , 閑話休題
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投稿者 : csf-ishii