今回は、今後のDXの進展において不可欠と考えておりますインターフェースについて私見を纏めてみました。ここで言うインターフェースとは、ITシステム間で情報をやり取りするための規約と考えて下さい。インターフェースが標準化されているか?否か?で今後のDXの進展の事情は大きく異なってきます。IT業界ではありませんが、既に標準化されている事例をいくつかお話しします。
先ずはハード分野のコンセントです。日本ではJIS規格により仕様が統一されていますので、家を建てる時にも位置を決めるだけですし、家電製品を買う際にも自由にメーカを選べます。海外製品も日本向け製品はJIS準拠ですので心配ありません。但し、海外サイトからネットで直接個人輸入する場合は要注意です。話は変わりますが、以前、初めて中国にいった際に、ホテルのコンセントが部屋毎に異なっておりビックリした記憶があります。コンセント形状の変換コネクタも貸出されておりましたが、日本のように統一されている方が圧倒的に便利です。標準化といってもサイズだけではありません。差し込み側の金具についている穴は、ヌケ防止の為のもので、当然、受け側には穴に合わせた押さえがついています。細かなところまで考慮した規格が必要となります。コンセントの世界標準が決まる為には、国を超えた標準化団体が必要ですので、自国利益優先の考え方が強くなる傾向の今の時代では、暫くかかるかもしれません。
一方、ソフト分野のCDを見てみます。音楽の記録方式は、ほぼ世界で統一されており海外盤でも自由に聞くことが可能です。音楽分野は、エジソンがリードをして古くから実質標準が決まっておりましたので、その延長ですんなり決まっています。CD以前のレコードやテープを考えて頂いても同じです。従って、レコードからCDへの媒体変換も容易に行えます。余談ですが映像分野もテープ時代にVHSという結果的にあだ花となった方式があった為に標準化が遅れましたが、DVRの登場により全てβ形式で世界統一されました。
前置きが長くなりましたが、システム間インターフェースにおいても、コンセントやCDのような標準化が必要です。IT業界ではディファクトと呼ばれる一番売れているものが標準というアメリカ型の考え方が定着しておりますが、別の動きもあります。通信分野では、旧ヨーロッパを中心に標準化が進んでいます。LANケーブルの差し口は情報コンセントとも呼ばれて、こちらは世界統一規格になっています。又、ファームウェアと呼ばれる組込みソフトの世界では、SOA(サービス指向アーキテクチャService-Oriented Architecture )という考え方が定着し、自動車、家電、ロボットなど各種機器毎に標準化が進みつつあります。SOAとは、ランプ点灯、モータ稼働、センサー始動など、底辺の各種制御を標準化し、それをソフト部品として使いドアの開閉やレポート出力など上位の制御を行うというものです。これによりソフト開発の無駄をなくし品質向上を狙ったソフト工学からきた考え方です。自動車業界では、SOAの考え方に基づきドイツのBOSⅭHと日本のデンソーが覇権を争っている真っ最中です。
アプリケーションソフトの世界では、API(Application Programming Interface)という考え方がありますが未だ不充分です。完璧なAPIが出来れば、文書を例にとるとWordでも一太郎でも、どのツールを使って作成しても同じ形式になり、ツール間では自由にやり取りが出来る、つまり、一太郎で作った文書をWordで修正でき、それを更に一太郎で修正できるという世界が現れます。Excellを代表とする表計算の世界でも然りです。カレンダー、住所録、スケジュール表などのグループウェア系のデータでの標準化ニーズは、今後、益々高まると思います。
更に、IOT(Internet of Things)の目指す、全てのものがインターネットに繋がった世界が来れば、情報システム、家電製品、ロボット、制御機器などの間で自由に情報が遣り取りされることが可能になります。トヨタウン構想とは、富士の裾野でまさにこの実証実験を行うことに他なりません。クラウドサービスの普及も留まることはありませんので、クラウドセンター間での情報交換も盛んになります。
以上のように、今後のITを考える上では、インターフェースの標準化動向をしっかりと見極めることが必要だと思います。既にディファクトとなっている商品についてもインターフェース標準との絡みを見ておく必要があります。ディファクトをとったVHSが標準にならなかったビデオ業界の歴史があることをお忘れなく。
以上
2020年11月23日
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カテゴリー : ICT
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投稿者 : csf-ishii