エネルギー革命 営業雑感No.123

 今回は、最近、電気自動車を中心に叫ばれておりますエネルギー革命について考えてみました。過去のエネルギー革命は、国際基軸通貨と派遣国家の交代がセットになっていました。不幸なことに二度にわたる世界大戦は、エネルギー革命が引き金となっているとも考えられます。

 先ず、世界発のエネルギー革命は、我々世代が産業革命として教えられたスティーブンソンらによる蒸気機関によってもたらされました。ここでは、イギリスが世界をリードすることになりました。その結果、基軸通貨はポンドとなり、中世以来の銀本位制が敷かれました。この時代のエネルギー資源の主役は、いうまでもなく石炭です。

 次のエネルギー革命は、ガソリンエンジンによってもたれされたと考えています。ここでエネルギー資源が石炭から石油に切り替わります。エネルギー革命の引き金をガソリンエンジンが引いたのか?石油が引いたのか?は鶏と卵の関係かと思います。ガソリンエンジンに着目しますと発明者は、ドイツ、ベンツやダイムラーです。普及させたのがフォード、アメリカです。当時の最大の産油国もアメリカでした。いみじくもドイツ対アメリカの図式が出来上がっています。世界大戦後、エネルギー革命の覇権を握ったのはアメリカとなり、基軸通貨はドル、金本位制へと移行しました。余談になりますが、自動車に関していえば、蒸気機関もガソリンエンジンも電気自動車も1900年代からありました。世界初の時速100キロ超えは電気自動車でした。コストパフォーマンスの良さからガソリンエンジンに淘汰されて現在に至っております。

 今回のエネルギー革命の主役はどうも電気のようです。電気となりますと、石炭や石油のようにエネルギー資源が固定化される訳ではありません。従って、今回は、エネルギー資源争奪の争いは無さそうです。加えて、電気に関する技術は、広く普及しておりますので、技術革新による覇権争いも少し先になると思われます。電気に関する技術革新の方向性を考えてみます。

 駆動装置としてのモータが一番に上げられます。リニアモータなど、より高いトルクをだす装置が求められます。船や飛行機などのエンジンを想定してみて下さい。ジェットエンジンやロケットエンジンも今は可燃性エンジンですが、新しい何かに変わる可能性は充分にあります。尚、モータ業界では日本は世界のTOPクラスにいます。但し、小さい方が主力で高トルクのものは少なくリニアくらいです。

 次に、重要なのが電池です。1900年代の電気自動車がガソリン車に淘汰された一番の弱点も連続稼働時間の問題でした。今は、蓄電技術も進歩してきましたので、ガソリン車と遜色なく戦えるようになってきています。充電式乾電池では、日本がリードしていますが、大容量の使いながら充電出来るような循環型の蓄電装置がテーマになると思います。

 最後にくるのが、発電から送電に至る電力供給システムです。以前もお話ししましたが、電力は直流に変わると思います。エジソンの世界初の発電機は直流でした。しかしながら、減衰による送電距離の問題とコストの関係で、今の交流発電に淘汰された歴史があります。ここで原点に返って直流発電と直流送電のしくみを考えるべきだと思います。確か京大だったと思いますが、宇宙に大規模な太陽光発電装置を浮かべ地上に無線で電力供給を行う研究をしていたと思います。又、小川、地熱、波浪など、様々な発電のしくみが出現しています。発電量は少ないのですが地産地消の考え方で動かすしくみも、各地で実験的に行われております。電力供給のしくみは、ダム建設から原子力発電所などの箱モノ建設からはじまり、巨大な送電網まで独占的電力会社と行政が緊密に絡み合った産業構造を持っておりますので、技術問題よりも政治課題が多いように思います。

 コロナ禍の中ではありますが、エネルギー革命の掛け声だけではなく、上記のような産業構造の変革を見据えた法整備や技術開発への投資などの国策も必要なような気がしています。

以上

2020年12月6日 | カテゴリー : 閑話休題 | 投稿者 : csf-ishii