今回は、今のITの主役ともいえるビッグデータについて考えてみました。小生が初めてビッグデータという概念を知ったのは「TUTAYA」の登場によってでした。今でこそ「TUTAYA」は、Tポイントカードの普及により総合的なマーケティング会社に生まれ変わりましたが、登場した当初はレンタルビデオ屋さんでした。「TUTAYA」以前は、レンタルビデオ屋さんといえば町角の小さなお店が主流でしたが、大規模資本の殴り込みで市場をあっと言う間に席捲しました。余談になりますが「TUTAYA」の名前の由来は、江戸時代の版元で、山東京伝、喜多川歌麿、東洲斎写楽などを世に出した「蔦屋」です。蔦屋の蔦屋重三郎はひとかどの人物で、江戸時代の庶民芸術の普及に一役買った人物です。「TUTAYA」のオーナもこれに倣ったのかもしれません。このレンタルビデオ屋でビッグデータという概念を知ることになりました。
「TUTAYA」でビデオを借りるには会員カード(今のTポイントカードの前身)の発行が条件となっていました。ポイントが貯まると無償でビデオが借りられたり貸出期間の延長が出来たりしました。勿論、この当時のポイントは「TUTAYA」でしか使えませんでした。この会員登録によって、誰がどこで何をいつ借りたか?のデータが蓄積されました。そのデータを基に個人の趣味の傾向が割り出され、会員別のきめ細かいDMが届いたり、お店の立地と客層が分析され、お店の品揃えが決められたりしていました。これが、私の知ったビッグデータの最初でした。これまでにも、コンビニの品揃えや工場の需要予測などでデータベースが活用されていましたが、これらの情報は期間限定であり意思決定の為された後は消去されていました。ところが、大福帳のように全ての情報を溜め込んでいくという発想は新鮮でした。この大福帳の概念がビッグデータそのものです。
今の「TUTAYA」は前述のようにTポイントカードを普及させて、ビデオレンタル以外の商品の購入履歴も溜め込むことによって、年代別、地域別、性別、職業別など様々な購買傾向を分析することで、新製品開発や販路開拓などのマーケティング情報を企業に提供しています。江戸時代の蔦屋も版元としてプロデュースをしていましたので、当初からこれを狙っていたのかもしれません。
このビッグデータのビジネスモデルを最初に確立させたのは「google」だと思います。「google」はインターネット検索エンジンとして登場した当初から無償で提供されていましたので、どこで儲けているのかが疑問でした。ネットでの宣伝費などを当て込んでいるのだと勝手に解釈していましたが、最初からインターネットへの入口である検索エンジン分野でのビッグデータの蓄積を目的としていたことに暫く気付きませんでした。その後は、マイクロソフトやアップルなどのハードベンダーに独占されていた、まさにネットの入口であるブラウザの世界でもその存在価値を発揮しておりますし、グループウェア(googleの場合は秘書機能?)の世界でもビジネスを拡げています。
話題のGAFA Google(グーグル)Apple(アップル)Facebook(フェイスブック)Amazon(アマゾン)は全てビッグデータをビジネスモデルにしています。では、これからこのビッグデータビジネスに参加することは難しいのか?というと、そうではありません。現在蓄積されているビッグデータは、特定の分野のものであり、まだまだ蓄積して価値のでる情報は沢山あります。マイナンバーは政府が狙っているビッグデータそのものです。各企業においても経営に活用できるビッグデータは残されています。ビッグデータを考えるポイントは「大福帳」です。大福帳ですからデータベースのように特定のルールに従ったデータが蓄積されるわけではなく、単に溜め込まれます。そして溜め込まれたデータを掘り出してくるのが「AI」だと考えています。これまでの情報システムの概念をリードしてきたデータベースという考え方から離れて考える必要があるように愚考しております。
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