今回は、デジタル庁の設置でムーブになった感のあるDX(Dijital Transformaition)について私見を纏めました。DXのXは、TransformaitionのTransを英語ではXと略すことからDXと略されているようです。デジタル化といえば、AI適用や業務の無人化など派手な印象が先行しておりますが、小生は、そもそもデジタル化もIT化も同義だと考えています。只、インターネットを中核とするネットワーク技術と音声応答やスマホ端末など入出力技術の革新により従来のITとは別物のように錯覚されているかもしれませんが、全て従来IT技術の延長の上にあります。業務のデジタル化とはIT化の延長であり「ITありき」というのが小生の考え方です。これまでにお話ししたことと重複するかと思いますがご容赦下さい。
IT技術が提供する価値の原点は以下の三点しか無いというのが持論です。
1)あらゆる情報の一意化
これがデジタル化の根本になります。つまり全ての情報を数字の0と1の羅列に変換します。且つ、それぞれのデータは同一システムの内部では一意化されますので重複がありません。日本語では二値化となり判り易いと思います。デジタル化されたデータは、文字、音声、映像など情報種別に関係なく同様のデータとして扱われます。一時、流行ったマルチメディアのことです。余談になりますが、人間がデジタル化されたデータを見たり聞いたりするためにはアナログ化して元の情報に復元する必要があります。プリンタや各種端末などの入出力装置はデジタルデータとアナログ情報との変換装置ともいえます。
2)一度覚えたことは忘れない
ディスクやメモリなど記憶媒体の寿命には影響されますが、基本的に覚えたことは忘れません。従って、強制的に消去しないとデータはどんどん膨らんでいきます。以前は、定期的に消去をしておりましたが、今はビッグデータに代表されるように溜め放題の感があります。
3)同じことを何度も繰り返すことが出来る。
データと同じく命令も忘れませんし絶対服従です。計算が早いことよりも何度繰り返しても同じデータであれば同じ答えが出せることが重要だと考えます。AIや人口知能というと命令とは異なったことをすると誤解されがちですが、命令のパターン化がなされるだけで異なる命令を自ら考えている訳ではありません。但し、脳の研究が進み人間の命令パターンが解明されれば事情は異なります。
以上のように業務のデジタル化を行うということは、ITの価値が効果的に適用出来る業務を洗い出すことに他なりません。業務を見直す際もポイントも決まっています。仕事の価値はアウトプットに宿りますので、業務の中で作成される帳票を見直して下さい。尚、アウトプットは、帳票だけではなく製造業においては製品、農業においては生産物も含まれますので、業種や業務においてアウトプットをどう見るかが最初に決めることになります。今回は、帳票をベースにお話しを進めます。課題発掘に関しても小生はQCDの考え方を踏襲しています。帳票といっても紙に出力されているものだけではなく、既にデジタル化され画面で照会されている情報も対象となります。
「Q」 業務遂行において間違いが発生しやすい帳票を探す。又、自部署から提出された後に配布先で再加工されている帳票も対象となります。更には、同じような帳票が数種類あるものも対象です。これらの帳票については、帳票作成の基になるデータの発生源から帳票が作成されるまでの流れを整理し、IT技術を適用して業務の流れを見直すことになります。
「C」 コストに相当するものは作成工数ではなく情報の滞留で判断するようにしています。「在庫は罪庫」というトヨタ方式の考え方でコスト削減の決め手です。作成工数は次項で考えます。情報の滞留とは、作成されただけで保管されている帳票が判り易いのですが、決済箱にたまり易い帳票も対象となります。ワークフローを導入されていれば未決滞留期間の長いものを対象とすれば良くなります。これらの情報滞留の改善とは決裁権限を見直すことに繋がっていきます。IT技術の関与が難しい分野でもあります。
「D」 こちらは端的に作成時間が長い帳票となります。特に、帳票の完成時期に合わせて会議体などが設定されているものが対象です。こちらはIT技術適用に最も向いている分野で作成工数の削減や情報収集の迅速化が対象となります。
以上のようにデジタル化を考えるということは業務を見直すことであり、そこから組織改革や制度見直しにも繋がるものです。又、先端技術であるAIなどを活用する為には、対象業務の情報がデジタル化(二値化)されていることが前提となります。その為にものデジタル化推進というお題目に捉われることなく、本来のIT技術活用による業務見直しを確実に行うことが重要だと考えます。
以上