即断即決 営業雑感No.89

 今回は、完成形にはほど遠いですが、小生が常に心がけている意思決定の形について、お話します。意思決定はリーダの不可欠要素です。自分の名誉の為にリーダという呼称が欲しいだけの輩は、企業・組織にとっては迷惑千万な方だと思っています。意思決定をしないことをサラリーマンの世渡りと割り切っておられる方もお見受けしますが、意思決定の出来ないリーダの率いる組織に成長はありません。一方で忖度の名のもとに上司の意思を部下に押し付けることは論外と考えます。忖度リーダを引き上げる上司には、おおいなる疑問を感じています。役所や大企業にこのタイプの方が増えているように思えてなりません。マンションの理事会や自治会にもおられるようで、日本的な潔さが消えていくようで寂しい気がしています。

 少し脱線しましたが、小生の目指す意思決定の形とは「即断即決」です。納期優先の小生スタイルを実践する為にも不可欠です。ところが、これがなかなかに難しく、未だに即断即決出来ない案件が出てきます。加えて、判断した結果を後で訂正することも多く、前回とは逆の判断にひっくり返ることもあります。小生の現状は、即断即決できるのは80%程度で、その内、判断間違いが20%程度、逆の判断をしていたのが5%程度という状況です。若い頃は、半分も即断即決出来ていませんでしたし、判断間違いも多かったので、かなりマシにはなっていますが、まだまだ未熟です。90%即断即決、判断間違い10%未満が目標です。

 即断即決を行うために為すべきことは、「情報収集」と「情報整理」に尽きます。情報収集については、マスコミ情報収集、読書などの一般知識習得が不可欠ですが、その為には日課等の習慣化が必要です。ネット活用も大きな力となりますが情報が多過ぎるので、情報の海で溺れないようにすることが肝要です。実は小生の場合、知人からの情報収集が5割を超えており、一般情報収集の一番の鍵は、「人脈」になっています。小生の考える人脈とは、以前お話をしましたように利害関係を超越した友人のことです。

 しかしながら、いくら一般情報を豊富に持っていても、判断に必須なのは現場情報です。その意味で、現場情報収集に最も大切なのはヒアリング能力です。小生の過去の判断間違い原因の殆どは、即断即決した際に部下やお客様からヒアリングすべき情報の不足によるものです。更に、不足していた情報は、判断した時に、もう一歩突っ込んで聞いていれば、その時点で既に判っていた情報が大半です。現場の生の情報を如何に聞き出すか?右京さんやコロンボのように、少しでも気になる点は、その場で徹底して確認する姿勢が求められます。加えて、小生の勝手な思い込みによる判断間違いも多いものです。思い込みは経験則によるものが大半ですから、経験に従う愚かさをつくづく実感しています。

 判断の際に、収集した情報を整理して、判断過程を「見える化」することも重要です。情報整理とは、以前、知識化の話でも述べましたが、関連知識との繋がりを持たせ自分の知識とすることが大前提となります。議事録や報告書は、この知識化のしくみを体感するのに不可欠なものです。歳を経て過去の議事録やメモを読み返すことで、何十年か前の自分に対面するのも面白いものです。その為には、日常活動を箇条書きのメモ形式で記録することをお勧めします。情報整理力育成にも繋がります。数日前や数週間前のメモを見返してみて下さい。修正点が結構出てきます。情報は常に変化しています。変化を捉えることが即断即決の実態だと考えています。

 即断即決とならないとしても意思決定を支えるには振り返りが必須となります。自分の判断した結果について「あれ、どうなった?」と常にヒアリングする姿勢を保つことが重要です。判断したい時や、振り返りたい時に、丁度、報告が上がってくるようになれば、いい組織になっているといえます。

 即断即決は、それがベストというものではありません。意思決定の一つの形です。熟慮型もありますし優柔不断型もあります。歴史上の英雄には優柔不断型は結構多いです。どちらかというと即断即決型は、信長のように破滅型が多いのも皮肉なものです。

 又、業務上の判断は、常に上司が責任を取るものですから、自分で判断した結果は上司に必ず報告をして下さい。その際に、現場での判断機会を増やし、組織としての意思決定の迅速化と判断品質(現場優先)を上げることを目的とするものが権限移譲です。受注活動を例にとります。

①見積値引き判断   損益10%以上 担当判断、5%以上 主任・課長判断、

             3%以上 部長判断、3%未満 本部長判断、

             赤字   社長判断。

②PJ損益見積変動  ±10%未満 PJリーダ判断

③メンテ時顧客要望  一日以内作業 部長判断 それ以上 本部長判断

 上記のように、判断事項毎に役職と権限範囲を規定したものを権限マトリックスといいます。決定した権限マトリックスを一覧表に顕した権限マトリックス表と業務フロー図が、企業の存続を図る企業統制では、基礎となる必須書類です。組織における意思決定とは、組織活動の核になるものです。組織長は、自分の意思決定の形を持っておくべきと愚考しております。

以上

2020年4月12日 | カテゴリー : 組織長心得 | 投稿者 : csf-ishii