業務システムとIoT 営業雑感No.79

 今回は、令和の主流になるであろうIT新技術と、従来の業務システムの関係についての最終回でIoT(Internet of Things)です。

 IoTとは、インターネットに繋がる全ての機器の総称ですが、インターネット時代が始まった90年代に「インターネットに繋がらない機器は、IT機器では無くなる時代が来る」と小生などは言っていたものですが、ここまで多種多様なものまで拡がるとは予想しておりませんでした。当時は、インターネットもネットワークの一つとしか考えていない方が殆どでした。IoTの引き金を引いたのは、一気に拡がったスマホだと愚考しております。

 業務システムとの関係ですが、以前もIT革命についてお話しをした際に触れましたように入出力革命以外の何物でもありません。これまでのキーボードとディスプレイを中心とした入力が、音声・映像・写真などマルチメディアを入力することが可能となり、更に各種センサーからの直接入力などIoTに代わります。又、この変化に伴い、データ処理は益々リアルタイム化が進展します。つまり、キーボード入力の前段階では、必ず入力伝票などの情報を整理した紙などのテキストデータが存在しております。そのテキストデータはキーボードからシステムに入力される以前に作成されていますので、データ発生時点とシステムへのデータ入力時点ではタイムラグが発生しております。しかしながら、ioTではデータ発生時点とデータ入力時点がほぼイコールになります。

 以前、お話しをした在庫棚卸を例にイメージしてみましょう。以前は、VR(Virtual Reality)メガネと音声応答での棚卸作業をイメージして頂きましたが、IoTを活用すると人は現地には行かずカメラで確認することになります。更に、AIを活用した画像分析を行うことで品物の状態の良し悪しや数量なども自動的に把握できます。更には、レントゲンや重量センサーとも組み合わせと簡単な商品検査まで同時に行うことが可能になります。このようにIoTはAIとも深く関連してきます。

 ここで問題になるのがデータの信憑性です。これまでのように、システム入力データに対する基データが存在している場合は、内容チェックに加え、回覧や印鑑によりデータの信憑性が担保されていました。IoTの場合は、各種センサーやモバイル端末などから業務システムに直接データが入力される為、その信憑性を後付けで行う必要が出てきます。従って、システムとしてはリアルタイム化されていてもデータの信憑性を担保するために時間が必要になります。ここでもAIが登場します。人がデータの信憑性を担保する代わりにAIが担保することにより24時間365日の対応が可能となり、信憑性担保のための時間もリアルタイム化されます。

 信憑性には、もう一つの観点があります。それは、セキュリティ面での対応です。一番重要なのが本人確認で、なりすましやRPAの悪用などを防ぐ為の方策を組み込む必要があります。そのベースとなる情報がアクセス履歴です。情報の5WⅠHを記録することが必要となります。本来の情報処理の為のデータに加え、アクセス履歴(ログ)を収集する必要があるため求められデータ容量が膨大なものになります。ここで登場するのがクラウドです。又、識別すべき端末の数も多くなり、端末アドレスを増やす為にIPV6が必要となります。今年、日本に上陸するG5もこれらの膨大なデータをスムーズにやり取りする為に開発されています。

 以上のように、今表面化している新技術は、全て関連性を持っております。余談となりますが、今後、登場するであろう新技術も目的とするところは、リアルタイム化にあると考えております。リアルタイムな情報公開こそがITの究極の姿だと愚考しております。

最後におさらいになりますが、小生の考えるITの持つ三つ付加価値を書いておきます。

1)あらゆるデータを一元的に扱う(デジタル化、二値化)

2)一度覚えたことは忘れない

3)何度繰り返しても同じ答えを出す。

 業務システムにITを適用するとは、上記の三点を活用することであり、新技術はその適用範囲を拡げ、より高速に、より大量に、処理を行う為にあるとお考え下さい。

以上

2020年2月2日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii