業務システムとクラウド 営業雑感No.78

 今回は、令和の主流になるであろうIT新技術と従来の業務システムの関係についての第二回でクラウドです。

 クラウドの正式名は、クラウドコンピューティングで、クラウドコンピューティングを使用して提供されているものがクラウドサービスです。一般的にクラウドと言った場合は、クラウドサービスを指していることが多いです。以下、クラウドサービスをクラウドと略します。クラウドの特長は、以下の5つです。

1)アクセス端末が自由。

インターネットに繋がってさえいれば全ての機器で使用可能です。特定のPCに限定されたり、ipadとAndroidでプログラムを変更したりする必要がありません。家庭のテレビ、カーナビ、仮想メガネなど自由に使えますし、混在使用も問題ありません。

2)場所が自由。

 インターネットに繋がる環境があれば、どこでも自由に使えます、宇宙や地底からでも会社にいるのと同じに使えます。その意味では働き方改革のキーになると考えます。

3)時間が自由。

 24時間365日、フル稼働しています。加えて、月額使用料方式で提供されることが通例となる為、使いたい時だけ使ってお金を支払うことが可能になります。

4)資源確保が自由。

 端末台数、CPU処理能力、メモリ容量などコンピュータシステムを動かす為に必要な資源が自由に使えます。サーバ室を確保したり、必要資源の計算をしたりというITを使用する為の制限事項から解放されます。

5)国籍が自由。

 この特長は、技術的には可能なのですが、各国の法律の違いが大きく実現していません。インターネットが出現した時に言われたネチズン(インターネット市民)が出現してからになると思います。特に、今の政治環境では望むべくもありません。

 さて、業務システムに適用する場合は、クラウドといっても三種に分かれますので、その種類ごとに異なります。

①SaaS(Software as a Service サース)

 アプリケーションまで提供されているもので、現状のパッケージソフト(以下 PKGと略します)に変わるものです。従って、業務システムとして採用するには、現行のPKG選定と同じになります。但し、クラウドの場合、技術的にはお試し運用が可能となりますので、従来のように説明会やデモで評価するのではなく、使ってみて評価することが出来ますので選定しやすくなります。加えて、月額契約方式が通例ですので、ダメならいつでも解約出来ますし、端末の増減対応、在宅など使用場所についてもバリエーションが容易にとれます。一つ注意したいのは、現在提供されているクラウド商品は、クラウドと名乗っているものクラウドコンピューティングは使用しておらず、従来PKGのサーバをお客様に設置せずインターネットデータセンターに設置するだけのASP(application service provider)方式の商品が多いことです。この場合、冒頭の5ツの特長は全く使えません。価格なども月額とはいえ使用拘束期間が設定されていたりします。

②PaaS(Platform as a Service パース)

 業務システム適用においては、今後の主流になると見込まれており、各ベンダーがしのぎをけずっているのが、OSやデータベース・システム運用などのミドルウェア、セキュリティなどがセットになって提供されているサービスです。Microsoft Azure(アジュール)、Amazon S3、IBM SoftLayer、などが有名ですが、業務システムに適用するとしたら、どのベンダーの提供するサービスを選択するかの問題になります。汎用機時代のメーカ選定やPCをMSかMACで迷うのと同じです。但し、以前は、どちらかを選ぶと償却期間は変えられませんでしたが、クラウドでは自由に変えられます。勿論、サービスベンダー変更に伴う移行作業は発生します。

③IaaS(Infrastructure as a Service アイアース、イアース)

 私は、現行業務システムを先ずクラウド化するのは、こちらのサービスだと考えています。この分野で有名なのはアマゾンAWSです。このサービスでは、ベンダーはコンピュータ環境を提供するだけですからユーザで全てを管理する必要がり、ネットワークとITの両方のスキルを兼ね備えた要員を確保する必要があり、多くの中小企業への普及の障壁となっていると考えます。これらの運用を纏めてアウトソース出来るベンダーの登場を待っています。

 現行の業務システムをクラウドに移行することは、大きなメリットが期待できますが、その為には、現状IT資産を正確に把握することが必須です。システム台帳やネットワーク台帳など,IT資産の整理方法については、No.68 ICT組織を参照ください。

以上

2020年1月19日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii