今回は、地場企業について私見を纏めます。現在、一般的に流通している経営学や組織論などは、どれも当て嵌まらないというのが、小生の感覚です。従って、現政権が力を入れている「働き方改革」は東京国の話であり、地場企業には無用とまでは言いませんが、仕事に対する文化(女性登用、成果主義など)が醸成されていないと思います。
小生の考える地場企業の特長を以下に列記します。
1)カリスマ創業者が存在する。
二世代、三世代と続いてきている企業でも、創業がカリスマによるものが殆どです。大企業にもカリスマ創業者はおられますが、企業規模が大きくならなかった為、その影響は、社訓などの形で、色濃く残っており企業文化の基となっています。カリスマ時代は、イケイケどんどんですから、所謂、世間一般で意識されているハラスメンと企業文化として意識しているハラスメントに解離があり、組織的な本音と建前が明確に存在します。
2)世代交代はTOP交代と同期する。
江戸城西の丸や東宮御所ではありませんが、組織効率とTOPとの苦労共有により抜擢された方が、長く経営層にとどまっておられます。役員から部長クラスまで10年以上同じ職にとどまっておられる方が大半です。大きく変わる機会はTOP交代時になります。
3)地縁人脈が仕事に入り込む。
大学ではなく、小中、高校の同級生との付き合いが当たり前であり、仕事でもその縁が優先されるケースが多い。加えて、町内会付き合いなどもあり長幼の序が厳然と存在しています。
以上のような特長から困った問題と考えていることを列挙します。
1)優秀な中間幹部から辞めていく。
上記のように上が詰っていますので、ポストがなく辞めていきます。そこに、外部から主にUターン中途採用で穴埋めをするのですが、仕事文化が違いすぎる為、馴染めずに短期間で辞めていく方が多いです。
2)指示待ち人間が育つ。
長くいる方は、上の考えに従順な方が多く、基本、指示待ちになっています。
3)競争の概念が弱い。
どの業種でも、地場一流と二流の区別と棲み分けが出来ており、相手が倒れるまでの激しい潰しあいはなく、お客様も心得ており棲み分けられています。
4)新人が入らない。入っても直ぐに辞める。
親世代も子供が故郷を出ていくことを容認している上、経営学や組織論などが一般知識としても普及している為、旧来文化が色濃く残る社風に馴染めない。
ここから始まる社会の悪循環があります。それは、地方で流動化した人財の行き場がないことです。辞めた方は、以前なら役場やコネ入社出来る地場企業があったのですが、それも難しくなっている為、大都市にいくことになります。そこは、競争の世界ですからニート化します。都会のニートには、このような地方出身者も多く含まれていると考察しています。
そこで、突飛かもしれませんが、地場企業として行う経営政策として、以下の方策も有効なのでは?と愚考しております。
1)子供含む縁故採用を増やす。
縁故採用の場合、簡単には辞めないという利点があります。勿論、コネを使った苦情なども来るでしょうが、その苦情が考えようによっては、企業が変わるきっかけになるかもしれません。
2)役職への権限移譲の徹底。(事業継承権限マトリックスなど)
権限を人と分離することが必須です。これは、社長や経営層も含みます。長年、同じ立場に居る方の特権を無くすことが重要です。特権と意識されていない方が多いことも事実ですから、客観的な権限範囲を決めて社内に公表することが必要と考えます。
3)降格や管理職定年制など、役職任期と雇用期間とを分離した永年勤続制度の導入。
2項の権限マトリックスに従い、仕事の内容によって管理職を柔軟に交替出来るようにして、管理職としての報酬と、従業員としての報酬を分離すべきと考えます。その意味では、組織を持たない(部下を評価する権限を持たない)役職者が沢山いてもいいと思います。役職名は、地方社会においてはステータスですので、これこそ勤務年数で与えてもいと考えます。加えて、地方活性化のポイントは人口ですので、永年勤続制度は必須と愚考しております。その意味では、報酬も生活保障的な意味合いのものと、業務に即した役職的な意味合いのものに明確に分離することも必要かもしれません。
以上、雑駁ですが、高齢化や人口減少を踏まえた地場企業の生き残り戦略を政治に頼らず考える時期にきていると思います。
以上