今回は、小生の考え方の根幹にある付加価値について日常業務の中でどのように定義するかをお話しします。付加価値は様々な形で現れます。製品の持つ付加価値は勿論ですが、皆さんの日常業務の中にも存在します。付加価値を定義する際もQCDで考えれば整理しやすいです。
先ず、製品の付加価値についての考え方を示します。企業には必ず商品が存在します。それは製品であったりサービスであったりしますが、お客様に販売しているものが無いと企業は成立しません。企業として自社商品の付加価値は何かを明確にしておくことをお勧めしています。誰に対する付加価値かというと、お客様に対する付加価値です。自社商品がお客様にとってのQCDのどこに貢献するか?をよく考える必要があります。又、その付加価値は競合製品との相対的な形で評価されます。
その意味ではQCDのⅭの付加価値が最も判り易く競合より安価であることが付加価値となります。勿論、単純に値引きをして損して販売しても企業としては成り立ちませんから、製造部門、設計部門など製品に関係する部門は、時間短縮や在庫削減などのコストダウン努力をすることになります。
QCDのDの付加価値で最も判り易いのが即納です。如何に早くお客様の手元に商品を届けるか?を競うことになります。アスクルやコンビニは、この典型です。
QCDのQについては、不良品を出さない・扱いやすい・本来の製品機能に優れている(冬物衣料品なら暖かい、掃除機なら強力吸引など)様々なものが考えられます。従って、一番の付加価値を絞り込むことが必要になります。
次に、日常業務における付加価値です、上記、商品付加価値とも深く関係しますが、業務の付加価値もQCDで整理できます。
業務の付加価値のQは組織機能で定義されています。経理であれば経営資源の金を廻すことであり、人事であれば人財確保や適材適所の人員配置、営業は売上確保、設計は商品開発、製造は生産などなどです。従って、日常業務における付加価値を定義するには作業時間分析をすることをお勧めしています。
つまり、組織機能を実現するための作業時間とそれ以外の時間を分析し、組織機能実現作業を増やすことに尽きます。基本的にはQCDのDに拘ることになります。
トヨタ方式の生産現場では、例えばネジ締め作業においては、ネジやドライバーを用意する時間は無駄な作業であり、付加価値作業はネジを締め切った瞬間のみと定義し徹底的に無駄な作業の排除を行います。生産現場ほど厳密に管理するわけではありませんが、会議・打合せ、電話応対、資料作成、端末操作など主な作業を30分単位で把握し、日次・月次の傾向を分析して無駄な作業を取り除くもとで、日常業務の付加価値が高まります。
商品付加価値を明確にし、それに関連して日常業務の付加価値を高めることが、企業活動の付加価値を極大化すると考えます。付加価値の極大化は業績向上に繋がり、従業員のやる気にも関係してきます。小生の考える付加価値経営とは、社員全員が自らの作業付加価値を認識して、自社商品の付加価値向上に貢献することを主眼としています。以前にもお話ししましたが、経営結果としての付加価値は「付加価値額=売上高-外部支出費用」で計算されます。その数字の背景として、商品付加価値と日常業務付加価値があることをご理解頂ければ幸いです。
以上