今回は、日常の業務遂行と予算達成に向けた業績貢献の関係について、お話しをします。業績というと、売上・粗利などの商談管理の延長にあると考えておられる方が多いのですが、これだけではありません。そもそも業績とは、皆さんの日常の業務遂行の結果です。従って、皆さんが、日常的に意識して頂く指標を設け、日々の行動管理をして頂くことこそが重要と考えます。実は、この考え方が、キュシュフロー経営を行う上では、大変、重要になります。つまり、単に、結果としての売上や利益の金額だけではなく、日々の活動が売上や利益に繋がるような指標による行動管理が必要となります。
この指標で、一番判り易いのが、一人当たりの経費です。客先別月別作業表を集計できるような仕事の場合、そこから個人別粗利を計算し、各人が、粗利が経費を上回るように努力することで部門業績が上がります。個人別粗利が経費を下回った場合、作業内容を吟味することになります。仮に、売上に繋がらない仕事が多かった場合、営業含めて、その仕事内容を吟味し対策(単金値上げやスポット費用徴収など)を練る必要があります。又、仕事の隙間などで時間が空いた場合は、他部署応援などの出稼ぎを考えるということになります。スキル獲得に励むのも一つの方策ですが、これは投資となりますので、期間と達成目標を決めることが必須です。計画休暇で鋭気を養うのもいいかと思います。
ここで、単金値上げについて解説をしておきます。IT業界やエンジニアリング業界、建設業界などでは人月単金を決めておられる会社が大半です。昨年度実績費用を在席人数で割った人頭税方式と呼ばれる方式で原価を求め、相場を見ながら粗利を加えて定価が決められています。IT業界の例でいいますと同じSEの仕事をしていても、地域やメーカと下請けの関係など、人月単金では倍以上の差があります。一人一人のスキルでは、殆ど遜色なく、しいて言えば品質管理で企業格差があるくらいです。従って、自社の人月単価が低い場合でも、お客様と話してご理解を頂ける余地はあります。定価UPについては、一見、難しい問題のようなのですが、見積時工数と実績工数を比較することで仮説が成立する場合が多いものです。一般的には、リスクを考えて見積時工数を多く見積る傾向があります。従って、見積精度を上げることによって、下記のようにお客様での支払い総額を変えずに単価だけを上げることが可能です。
1,000円 × 100H = 100,000円
1,700円 × 60H = 102,000円
この場合、一つだけご留意頂きたいのは、組織全体での稼働時間を増やすしくみもセットで考えることです。折角見積工数を短縮しても空き時間が増えたのでは何にもなりません。
一方、営業と管理職は、粗利を稼ぐ立場ですので、グループ全体の経費の合計を管理することになります。ここで重要になってくるのが定例的な月次粗利です。サポート費用などがある場合は、その粗利の合計で、何人養えているか?がポイントです。これが、要員合計を上回っていれば理想ですが、そうはいきませんので、それをベースとして、毎月その差を埋める粗利を稼ぐ必要があります。同じ10百万の粗利商談でも作業期間が3ヶ月と6ヶ月では月別にならすと月度粗利では倍違います。従って、通常の商談管理に加え、月別の粗利推移を管理する必要があります。
一般的には、前年度の組織毎の売上や粗利、経費などを構成人数で割った一人当たりの売上、粗利、経費などを求めて年度始めに予算と一緒に組織員全員に共通認識する方法が判り易いと思います。
以上