今回は、小生の考えるリーダシップについてお話をします。小生のいうリーダシップとはチームリーダの素養であることは勿論ですが、メンバーも時と場合によっては、リーダに替って発揮すべきものであり、ビジネスマンとしては全員が持つべき素養と考えています。小生の理想とする組織とは、時と場合によってメンバーのそれぞれがリーダシップを発揮し組織運営を行うというもので、各員の「自律と協働」を具現化するための素養と考えております。
1)リーダシップの核心(コア)
リーダの素養の第一は「一貫性」に尽きます。言っていることとやっていることが全然違うということが最悪です。しかしながら、意思決定においては、名経営者の多くが「朝礼暮改」を旨としているように、経済環境が変われば、朝に指示したことと違う事(逆のことも有り得る)を夕刻に指示することもあるわけです。一見、「一貫性」とは反するように思えますが、ここでいう「一貫性」とは意思決定内容の継続性を保証するものではなく、基本理念の継続性を担保するものです。具体的には、企業理念として掲げている「顧客第一」とか「利益優先」とか「地域貢献」とかに反しないことです。加えて、リーダ自身の仕事に対するモラルや最終的な判断基準を貫くことも重要で、信念といってもいいかもしれません。企業理念や社訓などを、組織員として守るべき一貫性の中心とすることで、最も大切なお客様に対する「企業の一貫性」を守ることに繋がります。
2)リーダシップを支える要素
①目標達成意欲(+α 妄想力)
組織は戦略に従うと以前にお話ししましたが、戦略には必ず目標がありますので、組織にも、必ず達成すべき組織目標が存在します。この目標に向かって、何としても達成してみせるという意欲がなければ、組織は機能しません。リーダには、この意欲が必要不可欠です。部門毎の様々な目標(売上・粗利・回答率・回転率・PJ損益など)の達成に向け、リーダ自らが先頭(現場)に立ち、困難に立ち向かい挑戦する姿勢「率先垂範」を目標達成の為の行動規範として小生は掲げています。又、妄想力は、目標達成後の姿を見える化(想像)する上で重要と考えています。偉人伝などを読みますと、偉人となった方々は、共通して「こうなりたいというイメージ」を、ある時期から明確に持たれているようです。小生は、妄想力を目標具現化の必須スキルであり、リーダシップには欠かせないものと考えております。
②順法精神(コンプライアンス)
法令や社内規定などルールを順守する姿勢です。ルールとは組織運営や業務遂行に あたって決められたものですから、リーダ自身がこれに反してはメンバーに示しが付 きません。但し、ルールも環境に合わせ変えていくべきものですから、ルールだけに縛られるのではなく、小生としては、モラルを優先し「自分に恥ずべきことはしない」ことが必須と考えます。
③敬意(おもいやり・おもてなし)
リーダとしてメンバーへの配慮を行うことも必須です。海外のリーダシップ論では これを「演出」という表現で書かれているものが多く、誰よりも早く出社するとか、大きな声で挨拶するとか、具体的な行動をするように促されています。確かに演出的行動で示すことは必要ですが、演出という言葉になじめないものを感じていました。しかし、ある時、この表現は、「唯一絶対神の前で平等」という一神教の宗教の教えを背景にしていると理解しました。多神教を旨とする小生としては、廻りへの気配り、心配りと、相手に伝える際のちょっとした手間をかけることが重要と考えております。
④探究心(+α 好奇心)
いろいろな判断の基準となるものに知識ベースがあります。この知識を拡げる為に 必要なものが探究心です。「なぜなぜ五回」「質問上手」これまでにもお話ししてきました。業務はお客様に、社内のことは先輩に、商品知識はメーカにと廻りに先生は溢れています。しかし、本人が自覚を持って学ばない限り自分の知識とはなりません。知識を増やす為の原動力となるのが探究心です。これに好奇心が加わることで日々是研鑽の姿勢が身に付きます。「チコちゃんに叱られる」とか「ブラタモリ」などの最近の人気番組に共通しているのは、好奇心を刺激しているのだと愚考しています。好奇心とは、日常の何気ない事象に興味を持つことから始まります。好奇心と探求心が一体となって知識が身についていると考えます。又、小生が知識を蓄える上で留意している言葉は「賢者は歴史に学び、愚者は経験に従う」です。道具や理論は進化しても人間の脳は4000年間、大きく進化はしていません。今、直面している課題は、必ず過去に誰かも直面していた筈で、歴史を学べば、その結果も知る事が出来ます。自分の過去の経験だけに自ら縛られることは避けたいものです。尚、本来、この言葉は、旧ドイツの鉄血宰相ビスマルクが言った言葉で、直訳すると「愚者は自分の経験に学ぶが、自分は、むしろ他人の経験に学ぶ」というもので、歴史というより他人の経験というニュアンスですが、小生は、日本語意訳の方に重きを置いています。
以上のように、小生の考えるリーダシップとは「自ら強い信念を持ち、目標達成を掲げて、順法と廻りへの敬意を両翼に、自らの知識の全てを使い切って判断と指示をメンバーに示し、且つ、自らが率先して行動すること」と考えます。
以上