管理の本質 営業雑感No.55

 今回は、管理の本質につき、小生の考察をお話しします。管理の管という字は、竹の筒という意味でものを流す管(クダ)を表しています。次に理という字は、理(ことわり)を表します。従って、管理とは「ことわりに則り、物事を流すこと」を意味しています。仕事を水に例えますと、管理とは、水が低きに流れるように、スムーズに仕事を流していくことになります。ところが、一部の方は、管理について、水を貯めて、行く先毎に分水することをイメージしておられます。これは、制御で管理とは異なります。カタカナ表現では管理とはマネジメントであり、制御はコントロールですから、これらは別ものです。制御は管理から派生するものであり、管理の本質では無いというのが持論です。従って、仕事上での管理では、溜めるのではなく流すことが優先されます。但し、その内容が理に適っているか?否か?を判断することになり、理に適っていない場合は却下となります。管理の結果とは、通すか?戻すか?です。

 いうまでもなく管理にも納期が存在します。売上や勤怠の締日というのは、明確な管理の納期です。しかしながら、日常の伝票処理やレポートについては明確な納期はありません。管理職自らが納期を決めることが必要になります。基本は、その日のうちに出来ることは翌日以降に残さないことです。一つの行動規範として判断期間最大一週間を掲げるとします。これを遵守するためには、依頼を受けた時点で、一週間以内の回答納期を、先に決めて内容を吟味することでしか実現出来ません。納期を決めて管理をする。逆に言えば、内容に多少難があるものほど、優先して短納期で差し戻しをしておけば、最終的に通すとしても、納期は短縮されます。小生、管理の納期短縮のツボは、却下するものほど迅速に申請者に返すことだと考えます。一方、申請者の心構えとしては、回答内容優先で考えると充分な準備が出来てから管理職とのアポをとることになりますので、そこに回答が出来上がってから管理職への説明までに滞る無駄な時間が発生します。先に、説明時間を明確にした上で内容を固めることが重要と考えます。申請者も管理者も納期約束を最優先にして仕事をすることが、管理の停滞を防ぐ手段と考えます。管理の停滞は、意思決定の遅れを産みますので、経営においては「百害あって一利なし」です。

 少し、横道にそれますが、お客様とのアポイントについても同様だと考えており、アポを優先して仕事をする癖をつけて下さい。よく、お客様に完璧な資料が出来てからアポをとるという姿勢の方をお見受けしますが、管理同様、資料の完成とアポとの間に無駄な時間が発生しますし、そもそも資料の出来具合は、お客様が判断するもので、こちらで判断するものではないと思います。勿論、求められる最低限の内容は担保することは必要ですし、お客様によっては、納期より回答内容という方もおられますので、一概には言えませんが、納期優先が、小生の営業管理の基本です。

 もう一つの「理に適う」について考えを述べます。仕事において、最も優先されるものは法律であり、その次に社内通達などが、理の判断基準となります。理とは、概念ではなく明示されたものです。但し、明示されたものを全て覚えておくことは難しいので、自分の価値観で判断する場合もあります。この場合の自分の価値観とは「自分に恥ずべきことはしない」に尽きると思います。組織に管理職は存在しますが、制御職は存在しません。管理職は、理に適った仕事を進める為に存在します。特に、中間管理職の方は現場の状況に合わせたTOP判断を産み出す組織行動の潤滑油の機能が必須と愚考します。

 最後になりますが、管理において留意すべき点として「機会を捉える」ということをお話しします。「機会を捉える」とは、伝票処理のように単純に流すような仕事でも、損益を判断したり、商談の意義を考えたり、部下に教育の場を与えたり、と日常の管理判断の中で、その判断すべき事項に含まれていること以外の別の事項を考え、その中から、現場の変化を感じ取ることです。流れの先にあるものを想定することにも通じます。例えば、最近、値引きが増えてきたと感じたら、競合の存在や顧客の経営状況悪化などを推察します。更にその傾向を明確にしていく過程で、原価低減による価格改定や新製品開発、チャネル開拓などの施策を立案し、上申します。このように、現場での管理業務の中から、新しい提案を模索することが「機会を捉える」という意味です。機会を捉える為には、日常管理業務の中でも、常に目的志向の判断をすることが必要です。目的志向とは、組織ビジョン・販売戦略を常に意識して判断することです。納期優先で、理に適った仕事を速やかに流すことが、管理の本質であり、機会を捉えた提案をすることが管理職の本分とご理解下さい。

以上