今回は、販売戦略の立案について、その作り方、考え方をご説明しておきます。そもそも戦略とは軍事用語ですが、本来は以下の二つを実現する為に作られます。
1)戦略目標の達成
戦略目標とは、究極は戦争に勝つことですが、特定地域制圧や敵部隊殲滅などが挙げられます。
2)途中経過把握と作戦変更のバイブル
戦争には、現場での作戦変更はつきものですので、戦略実現の為の行程や途中経過の時間などが明記されており、現地での実態に合わせ戦略実施断念含めた判断基準も明記されています。戦争映画などで「ヒトヨンフタマル敵確認、配備完了」等の報告場面があると思いますが、これが経過報告です。
尚、戦記物でよく出てきます、鶴翼、車懸り、魚鱗などの陣立ては、戦術に属します。戦術とは戦場毎での戦い方になり、戦略に従います。
以上を踏まえて販売戦略の作り方をお話しします。尚、年度毎の販売戦略は、戦略と呼ばれますが、上記の戦術に近いと考えます。本来の意味で戦略とは、経営戦略そのものと捉えています。従って、販売戦略とは、経営戦略に則って作成されるべきものです。以下、販売戦略は、年度毎の戦術に属すると考えているものでお話しを進めます。
1)目標数字の設定
販売戦略の場合は、大目標は予算達成となります。予算の目標数字は、売上、粗利、経常、シェアなど、会社によりバラバラですので、ここでは、これらを纏めて業績と表現します。予算達成の為には、大きく二つの道筋があります。一つは既存顧客への業績拡大で、顧客深耕(インナーシェア拡大)と呼ばれるものです。もう一つは、市場占有率拡大(シェア拡大)です。多くは、この二つの方策の両方を選ぶことが多いと考えます。この道筋に加え、取扱商品で、新商品と既存商品の二つに分れます。従って、自社置換え、他社置換え、新規導入など、いくつかの項目に分かれますので、その項目毎に目標を決めることが重要です。予算達成へ向けた目標の分解となります。但し、予算が金額で、必ず顕されるのに対し、分解された目標は、社数などになる場合も多いので、予算数字と必ずしも整合性をとることは無いのですが、関連性は必ず把握しておいて下さい。無論、目標は数字で顕すことは必須です。
目標数字を決めずにお題目だけで話すことを多く見受けますが、目標数字を最初に決めると肝に命じて下さい。
2)ターゲットの明確化と分類
販売行為は、お客様があって成り立ちますので、販売戦略には、どのお客様をターゲットとするか?の明記が必須です。自社長期使用顧客、他社顧客、様々ですが、目標に従い決めて下さい。この際に、ターゲット数が少なければいいのですが、多い場合は、お客様の規模(年商、従業員数、病床数)、業種、地域などで分類する必要があります。分類の際に留意頂きたいのが、以前お話した「漏れなくダブりなく」です。尚、効率のいいターゲット数は、100以内です。100以上ある場合は、年度内で、100ずつ順次繰り返す方策をお勧めします。販売戦略のPDCAは、出来るだけ短期間で廻せる工夫が必要です。横道にそれますが、販売日報の本来の目的は、販売戦略のPDCAを毎日廻すしくみです。勤怠管理や旅費精算など本来目的が形骸化しているケースも多いようですが、販売戦略と関連した報告事項に、都度、見直すしくみも有効と考えます。
3)競争優位の確立
競合に勝つ法は、戦略には必須です。競合との差別化はQCDで評価をし、競争優位をとる方法を明記して下さい。詳細は、雑感No.18「提案QCDと競争戦略」をご参考にしてください。
4)スケジュール案の作成
販売戦略には、いつまでに、誰が、何をするかが必須です。上記の項目が決定した後に、基本、月単位でそれぞれの方策を並べて下さい。ここでは、要員の負荷や、顧客攻略のダブリなど、を検討し、項目別専任チームの設置や、商品別の教育リーダを設置するなど、要員とターゲット顧客を考えて営業効率についても考えることが必要です。
以上