LT短縮 営業雑感No.34

 No.7付加価値でも、前回までのプロマネでも、小生はQCDのDが先行指標であると考えております。そこで、今回は、Dにおける最大の施策であるLT(lead timeリードタイム)短縮についてお話しします。

 LTとは、一般的には製造業で使われる言葉で、工場や製造ラインで、部品投入をしてから製品出荷までの時間をいいます。最近は、PLM(Product Life cycle Managementプロダクト ライフサイクル マネジメント)の影響で、部品手配からお客様に検収を頂きお客様で廃棄されるまでの時間として捉えることも多いです。しかしながら日常業務においては、LTは殆どの場合、意識されていません。従って、LTの定義を決めることから始めます。いうまでもなくLT短縮は付加価値極大化の為ですので、LTも付加価値に直結する時間となります。業務の付加価値は帳票類や報告書に顕れます。無くなると最も影響のある帳票や報告書が業務の付加価値と言えます。その帳票や報告書の作成時間が業務のLTとなります。

 例えば、特定商品の販売促進部門の場合、「質問などを頂戴して回答を質問者にご納得頂くまでの時間」と定義できます。勿論、質問者との回答内容が文書化されており、全ての質問に関する受付時間や回答状況が明確にされていることが大前提で、この文書を付加価値と見なしています。この場合、質問者とは、社内も含め仕事上の全関係者を指します。質問が輻輳した場合、勿論、第一優先の質問者はお客様となります。回答に要する時間と内容を整理し、現状からの改善を図る方法もありますが、小生は「一週間以内回答」などと目標を決めて、課題を整理する方法をお勧めしています。作業時間分析は時間もかかる上、課題が分散する可能性があります。それよりも、目標達成出来なかった要因を解決して、順次、目標を上げていくことのほうが実際的です。

 又、質問をうけた際に、質問の本意を汲み取ることも重要です。質問上手の考え方で、質問者への逆質問でその真意を探って下さい。質問の真意は業務に則して考えることが近道です。質問者が、業務の上で何をしようとしていてその質問をしているのかを探ることです。真意が探れず出来る出来ない的な表面的な回答になった為に、質問者が納得できず、何度も調べたり、場合によっては何度も再見積り要求されたりという無駄な時間が発生しやすくなります。質問の繰り返しは、質問者にとっても面倒なものですので、一発回答は、本質的LT短縮に繋がると同時に、質問に対する回答のQも上がることにつながります。Qが上がった質問内容が集約されたことにより、これを整理した業務適用Q&A集や業務適用教育などの有償化のきっかけにもなります。

 LT短縮を実現しますと作業時間に余裕が生まれますので、他の質問者への対応が可能となり、質問者対応キャパシティが向上することになります。但し、折角できた空き時間を埋める仕事がないとその時間は内部原価となり付加価値的には何の意味もありませんので、稼働率が問題になります。上記の場合、質問対応の専門部隊であれば、稼働率は、手すきの人や問合せ件数で簡単に見ることが可能ですが、兼務の場合、稼働率についても定義をする必要があります。稼働率については、LTを定義する際に関連して定義できます。LTを決めた帳票や報告書の提出先に関する作業時間と勤務時間の割合が稼働率となります。

 上記事例の場合は、「全作業時間に占める質問者向け作業時間の割合」となります。質問者向け作業時間とは、資料作成などの準備時間も含みます。質問者との面談時間や、質問に関連して他部署への問合せ時間も含みます。但し、質問者向け作業であっても、改定通知やレベルUP通知などの対象ユーザ向け共通作業、事例の横展開に向けた標準化作業、移動時間は含みません。作業日報などから稼働率は測ります。

 稼働率については、LT短縮のように目標設定から始めるのではなく、現状分析から始めます。会議出席、質問対応、出張などざっくりとした分類で個人別に集計することをお勧めしています。一般的な企業では稼働率が50%以上であれば高い水準といえます。繁忙期などの影響で稼働率は時期によるバラツキが大きいですので、LT短縮だけでなく生じた空き時間をスキル拡充などの人的投資的時間や他部署応援、各種標準化推進などを実施出来るように、月次で稼働率を評価し対策立案を出来るような仕組みが有効と考えます。

 LT短縮と稼働率向上の二つが重なりあって業務付加価値を高めるというのが持論です。各担当は日常の稼働率を意識して無駄時間を排除することに注力し、組織としてはLT短縮をキーとして業務キャパシティの向上を図るというのが、LT短縮と稼働率向上による付加価値向上のサイクルと愚考しております。

各人の日常的付加価値向上サイクル(スパイラル)

 稼働率向上→無駄な時間の削減(LT短縮)→稼働率向上→ ・・・

組織のLT短縮による付加価値向上サイクル(スパイラル)

 LT短縮→業務キャパシティ向上→組織全体の稼働率維持・向上→LT短縮 → ・・・

 小生、経済環境や技術革新などの変化の多そうなここ数年はQCDの中ではDが最重要の指標と位置付けており、日常活動でのクイックレスポンスこそがLT短縮に直結すると考えております。

以上