プロマネ2 営業雑感No.33

 今回も前回に引き続き、小生が仕事のプロとしての必須スキルと考えるプロマネ(Project Management)について、前回は、①計画作成と②進捗管理について、プロジェクトに要求されるQCDをDに集約した計画を作成し「全ての仕事は、納期ありき」で管理することをお話ししました。今回は、③課題の見える化と対策実施と④人、物、金の最適配置についてお話しします。

 先ずは、皆さんもご存じの「見える化」についてお話しします。「見える化」とは、最初に製造業の工場部門において、管理をし易くする為に管理対象をよく見えるようにする為の改善運動として始まりました。つまり、原材料倉庫を整理し材料別に見易くする等して長く使われていない材料が直ぐに判るようにしたり、半完成品置き場を特定の場所に限定集約することで、半完成品の在庫状況を見て増産や減産を現場で直ぐに判断できるようにしたりと主に在庫管理関連で使われる手法でした。その後、工程進捗を白板に書き出したり、安全スローガンをみんなの目にとまるところに掲げたり等、工場全体の業務に拡がっていきました。工場内で一気に拡がった背景として「見える化」がTQC活動(現場改善を現場の小集団活動で行う手法)から生まれた手法であることに大きく関連していると愚考しております。一方、営業関係でも見える化とは言っていませんでしたが、カーディーラや保険セールスの世界でよく見かけます「個人別販売ノルマ達成状況グラフ」を壁に貼り出して、各人の競争意識を刺激して、組織の予算達成を狙う手法も「見える化」です。その後、経営指標を一目で見えるようにするダッシュボード経営に代表されるように経営はじめ様々な分野で「見える化」が採用され、今日のように管理手法として一般化しました。

 プロマネにおける「見える化」の第一歩は、WBS手法を用いて作成したガントチャートを公開し、プロジェクト全員で共有することです。各人が自分の仕事が次工程の誰に影響するかを意識させることでプロジェクト管理の精度は格段に上がります。

 次に課題の「見える化」についてお話しします。「見える化」手法の本質は、管理すべき事象につき、現場で目に見えるようにすることで、様々な管理帳票などで後方部隊が判断するのではなく、現場判断で迅速な意思決定が出来るようにすることにあります。現場重視の権限移譲と意思決定迅速化を狙ったものであり、QCDでいうとQリードで、D短縮を狙う手法です。従って、プロジェクト管理においては、Dで問題が発生した場合にQに戻って判断することが必要です。その為には、計画段階で「見える化」の応用手法をお勧めします。プロジェクト終了時を頭の中で映像にする「見える化」です。妄想に近いかもしれません。横道にそれますが、経営方針や企業理念などを見て、それが実現された姿を映像にしてみて下さい。簡単に映像に出来る方針は、良い方針です。逆に言えば方針などを作る際には、先ずは、なりたい姿を明確に思い浮かべてから言葉を選ぶことをお勧めします。プロジェクト管理においても、プロジェクト完成の姿を映像にしておくことです。業務改善プロジェクトであれば、あるべき業務が実施されている姿を映像化して計画して下さい。帳票や画面などは具体的なサンプルを用意するといいでしょう。これにより課題が発生した場合に、計画時の映像に戻って、どこに影響がでるかを判断することが可能になります。又、関係部門との各種折衝の際にも、どうして貰いたいのかを「見える化」して下さい。双方で折衝結果を映像として確認することで、具体的に何をして貰いたいのか?を明確にでき、話合いでの誤解を少なくします。以上のように、プロマネにおける課題の見える化には、進捗の見える化と完成形の見える化の二つがあります。因みに、見える化した資料として良い順は以下のとおりと考えます。

1位 映像(在庫にようにはっきり見えるものや想像、妄想)

2位 絵(文章だけのプレゼン資料はダメです)

3位 数字(出来ればグラフ化)

4位 文章

 最後に、人、物、金の最適配置についてお話しします。但し、プロマネにおいては、金については前提条件となっている場合が殆どですので割愛し、人と物に限定してお話しをします。最適配置を考える為には試行錯誤を繰り返すことになりますので、大変、難しいものです。しかしながら、その考え方としては「負荷山積み」と「スキルマップ」の二つです。「負荷山積み」とは仕事量を時間に換算したもので、人の作業時間、機械の稼働時間、荷物の配送時間など様々なものがあります。特定の人や機械にプロジェクトが要求する作業を時間に換算でして積み重ねるものです。尚、人も機械も担当プロジェト専用ではない筈ですが、プロマネとしては担当プロジェクトに限定して考えて、兼務や兼用における「負荷山積み」は、組織の課題として切り分けて下さい。人にも機械にも稼働時間には限界がありますので、山積み結果がその範囲に入っていることが「負荷山積み」における最適配置となります。「スキルマップ」とは機械でいえば性能表で「負荷山積み」の際に、高性能な機械では短時間で仕上がるものが、低性能な機械では長時間かかることになりますし、機械には、扱える品物(プラスチック専用など)が決まっている為、プロジェクトでの担当が限定されます。機械の場合は比較的判り易いのですが、人の場合は難しいです。人のスキルマップといえば、取得資格一覧のようなものをイメージする方が多いと思いますが、プロマネではこれは使えません。何故なら資格を持っていることと作業が出来ることとは別問題だからです。プロマネに必要な「スキルマップ」とは何が出来るかを顕したものです。これまでなかなかこのような「スキルマップ」は無かったのですが、NO14知行合一でご紹介しまたiCDが参考になります。プロマネにおける最適配置とは「スキルマップ」を参照しながら「負荷山積み」を完成させることにつきます。「スキルマップ」も「負荷山積み」も無い状態での最適配置とは空論であり、プロジェクトの失敗を招きますのでご注意下さい。

以上