以前に、「マネジメント」や「ほうれんそう」が組織人必須スキルであるとお話をしましたが、仕事を進める上で、もうひとつ必須となるスキルが、プロマネ(Project Management)です。一般にはプロジェクトマネージャ(Project Manager)として職種をさすことが多いのですが、先ずは考え方を纏めます。プロマネというとIT業界では、SEの専売特許のように考えておられる方が多いのですが、営業の商談管理もプロマネそのものです。資格取得などの部下育成を管理する手法もプロマネです。以下が小生の定義です。
1)プロマネ(Project Management)の目的
プロジェクトの目標とするQCDの達成
2)プロマネの進め方
①計画作成
②進捗管理
③課題の見える化と対策実施
④人、物、金の最適配置
プロマネの第一段階は計画作成です。計画の最初に行うのが目標の細分化です。目標とするQはここで決まると考えます。一般的に目標は「納期短縮」などと総括的に掲げられています。総括的目標を達成するために目標を分解し体系的に整理することが必要です。この為に有効な手法がWBS(Work Breakdown Structure 作業分解図)となります。作業分解をし、作業毎の達成目標を設定することで、結果として目標が細分化されるという考え方です。WBSを作業分解として捉えている方も多いのですが、WBSと目標分解とは緊密に繋がっています。但し、ひとつひとつの作業にその作業達成を評価する成果物が定義されていないものは目標も曖昧となりますので不完全なWBSと考えます。
次に計画されるのが、WBSなどで決められた作業毎の必要期間を想定し、最短でつくられるものが作業計画です。Qに続いて目標とするDが決まります。作業計画にも手順があり、分解された各作業を特定の作業が終わらないと着手できない連鎖型作業と他作業のとは関連がなく独立して行える独立型作業に最初に分類します。連鎖型作業をツリー型に順次並べていき、独立型作業は、基本、複数同時期に作業する並行作業として計画を作成します。この作業計画時に使う一般的な表現法がガントチャートで、連鎖型作業の最短ルートを決める手法がクリティカルパス法です。クリティカルパスとはガントチャートのように連鎖型作業をツリー型で表したものの中心にくる幹の部分のことです。
最後に計画するのが工数計画です。作業内容と想定期間から必要工数や外注先、その作業に必要な材料などが決まり、ここで漸くCが決まります。一般的に工数で換算される作業は納期を短くしようとすると人数が増えます。単純に誰でも出来きる作業であればいいのですが、特定のスキルが必要な場合に判断すべきことは、最初に決めた成果物を一人で作成できることを見極める必要があります。一人で成果物作成が出来ない場合は、手戻や指導に工数がかかり増員の意味がありませんし、結果的にコストに跳ね返ります。又、特定の人や企業でしか出来ないという作業がある場合、納期もコストもこ特定された人次第となります。このような作業を人的ボトルネックと呼ぶようにしています。本来ボトルネックとは、連鎖型作業をガントチャートなどで表した場合に、ジョウロのように多くの作業が集中して必ず通る作業をさすのですが、人的ボトルネックの場合は並行作業であっても発生しますので区別をしています。
以上のように、計画は、必ずQ→D→Cの順に決めていきます。実際には計画以前に契約事項として、全体のQCD目標が決められていることが殆どです。従って、計画と目標との検証は必須です。計画段階で、関係者と検証することが重要です。お客様に関係する場合は、お客様の承認が必須です。
プロマネの第二段階が進捗管理です。上記手順に従えば、計画段階で作業計画にQCDの要素が集約されていますので、進捗は、Dを指標として管理することが可能になります。計画通りに作業が進んでいるかを定期的にチェックすればQC達成もついてくることになります。もし、途中で遅れが出た場合は、残りの計画を見直しますが、クリティカルパスに関する場合は、お客様と納期遅延交渉も視野に入れて検討することが必要です。又、ボトルネックに関しては、他の作業とは別枠で進捗管理を行うことは当たり前と考えて下さい。
計画変更でDが変動するとQやCも変動します。逆にQやCが変動してもDに跳ね返ります。QCDは常に緊密に連動しており管理するのが難しいものです。従って、最初の計画段階でQCDをDに集約し、Dを先行指標とした進捗管理でQCD全体を管理するという考え方がプロマネです。
余談ですが、よく新人に幹事を任せるのは、このプロマネ能力を養って頂くことを目的としていると考えます。幹事の仕事は、要するに事前手配と当日の時間進行をスムーズに運ぶことに尽きます。幹事の上手い人は、事前手配、出欠確認、当日誘導、席順、式次第、帰りの手配まで流れるように進めていきます。結果、スケジュール管理が行き届くことになり、必然的に仕事の進め方も上手になります。勿論、幹事をする催しの目的を理解しておくことは、大前提となっています。
小生は、常々、時間軸を基本とした行動管理をお勧めしています。プロマネを日常の仕事の中に組み込み、仕事のQCDを管理するには、計画段階でDにQとCを集約することが肝になると考える為です。「全ての仕事は、納期ありき」です。
残り二つの進め方③課題の見える化と対策実施、④人、物、金の最適配置については、次回にお話しをします。
以上