今回は、仕事の進め方の最後として仕事の「段取り」についてお話しします。全ての仕事は、常に、他の仕事と連鎖しています。単独で存在する仕事は皆無と考えます。勿論、一つ一つの仕事の最終目的は決まっていますので、仕事毎に目的を達成した時点で終わる区切り目となる仕事があります。営業行為では契約や検収等が区切り目の仕事の代表です。
仕事の「段取り」とは、区切り目の仕事に向けて前後の仕事を漏れなく、滞りなく、最短で進める為にPDCAを廻すことです。段取りというと事前準備までで終わる印象がありますが、最終的には約束納期を守ることが全てですので、準備は万全でも納期が守れなければ段取りが上手くいったとは言えません。小生は「仕事の段取りがいい人とは、約束納期を厳守している人」と定義しています。段取りとは、仕事のQ(品質)C(価格)D(納期)のDに拘ることであり、納期厳守の考え方をQやⅭに繋げることと思います。
一方、納期を守ってお客様からは評価をされていても、顧客納期を旗印にして関係者に強引に納期を押し付けている人は関係者からは嫌われます。納期的には同じ結果でも、気持ちよくした仕事と嫌々した仕事では、その品質に大きな違いが出ますし、強引にやり繰りした仕事はコストも懸ります。QCDから見てもマイナスです。スムーズに仕事を進める為の段取りとは納期遵守に向けて関係者の思いを一つにすることが前提になると考えています。仕事の「段取り」は、仕事人(プロの職業人)の必須スキルと小生が考える所以です。「段取り」をつける上で、気配りすることは、以下になります。
1)関係者を全て洗い出す。
例えば、ITシステム導入の場合、自社の契約範囲外であっても、電源工事や設備工事が事前準備として必須の仕事ですので、これらの関係者もリストアップしておく必要があります。本来は、お客様での調整事項ですが、お客様にご協力頂き、自社の作業との兼ね合いを見て、これらの準備を進め作業完了を確認しておくことが重要です。
2)最終納期に向け、作業順序を明確にする。
この際に、必ず順序立てて行わないといけない作業と、並行して行える作業に分類しておくことも忘れずに明確にしておくことです。順序立てて行わないといけない作業の並びがクリティカルパスです。
3)先ずは、関係者の作業予定を聞く。
関係者の予定を聞き、上記順序に従ってタイムスケジュールをひき、最終納期を守 れるか?を検証します。申告納期の並びでは最終納期を守れない場合は、関係者毎に納期遵守の為の限界納期を前提とした、こちらからの希望納期を示して折衝することになります。こちらからの希望納期を一方的に押し付けるだけではダメです。特に、クリティカルパスに関わる作業の納期は、慎重に決めることが必要で他社が入る場合は、進捗管理のやり方などを決めておく必要があります。
4)関係者一同で、全体予定を確認する。
全ての方がこちらの希望納期を受け入れてくれる訳はありませんので、納期調整がつかない作業が発生した場合は、前後関係の関係者で納期調整をする必要があります。個々に調整すると調整時間がかかりますので、関係者全員参加会議をお勧めします。
5)作業の引き継ぎの日時を明確にし、必ず完了確認をする。
特に、作業の関係者が複数になる場合は注意して下さい。又、複数の会社が参加する場合は、作業完了基準を必ず明瞭にして下さい。会社毎の文化は異なりますので作業完了の定義が微妙に違うことがあります。予定どおりに完了できないと判った場合、新しい完了予定を明確にし、後の作業への影響と最終納期確保に向けた調整を行います。最悪は、最終納期延伸も視野にいれる必要がありますので、遅れを早く見つけるしくみを考えておくことが「段取り」には必須です。
以上のように「段取り」とは納期折衝の塊です。他社との調整も頻繁に出てきますので、日頃から良好な関係を構築すべく会話を重ねておくことが重要です。言わずもがなですが、社内関係部署との会話が最も重要です。仕事をQCDのDから支えるのが「段取り」です。納期中心に書いてきましたが、「段取り」に必要な作業項目を洗い出しておくことも重要で作業にモレがあると計画そのものがダメになります。この為、自分の仕事に関する標準的な作業手順について、テンプレートやひな型用意しておくことをお勧めします。会社によっては会議の席次にいたるまで、細かに決めているところもあります。
前回までの2回でお話ししました「筋を通す」「PDCA」と今回の「段取り」が実務をこなす上で留意すべきツボと考えております。
以上