新年あけましておめでとうございます。熊本では地震もありやや不安な年明けになりました。小生はお蔭をもちまして自宅で穏やかな正月を迎えさせていただきました。さて、今回は、前回に引き続き仕事のツボとしてPDCAサイクルを取り上げます。
PDCAサイクル
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善)
尚、上記の一つのサイクルが終わった後に、AからPに戻してサイクルを繰り返し実行することをPDCAスパイラルといいます。渦巻きのようにPDCAが連鎖している状態です。ISO等の規格にも組み込まれており、組織が、最も上手く廻っている状態とされています。一般的には、サイクルとスパイラスを含めた包括的な概念としてPDCAと略して表現されることが多きですので、以下もPDCAとします。このサイクルを廻す為に、最も重要なことは、目標の明確化です。目標が曖昧であったり、定まっていなかったりする場合は、PDCAは意味を成しません。加えて、よくCを重視する発言を聞きますが、小生は、Dが重要と考えています。仕事の成果は、D(実行)の結果であり、付加価値はDによって生み出されます。P(計画)・C(評価)・A(改善)は付加価値を利益に効率的に変換する為の間接要素であり、DのQCDを支えるものと考えます。つまり、小生の考えるPDCAとは「目標ありきで行動する為に必要な仕組み」です。
営業の基本である業績管理においてPDCAを廻している状況を例にお話しします。企業活動における目標とは、ずばり業績達成目標(予算)です。その実現に向けてP(計画)した結果が拡販施策です。C(評価)は経営会議や営業会議で実施されます。Cの結果を踏まえて、半期や月次で、各部門でA(改善)を検討し、P(計画)を見直します。見直し予算などと呼ばれるものです。ここで当初予算から見直し予算にPが変わりスパイラルが発生します。更に、次年度予算は、本年度実績をA(改善)して作成されます。つまり、業績管理は、定期的に予算を見直すことでPDCAが実施されています。年度予算は年度内不変としている場合も多いのですが、商品の商談サイクルに合わせて見直すべきというのが小生の考え方です。
C(評価)の中身としては、目標数字達成率と施策の実施状況が一般的で、その為には、目標数字とは別に、施策毎に指標数値を決めておくことをお勧めします。顧客開拓であれば新規訪問客数や面談者数、顧客サポート充実ならクレーム数などです。目標数字と施策の二つを組みわせた評価は、以下の4パターンがあり、パターン毎にA(改善)の中身は異なります。C(評価)とA(改善)は、ほぼ同時に実施することをお勧めします。
ケース1 施策実施達成・目標達成の場合
現行のD(行動)を継続します。Aを省いたPDCで廻します。
ケース2 施策実施達成・目標未達の場合
A(改善)が必須となり、改善策として施策変更・施策追加などによるP(計画)の見直しをします。ここから新しいPDCAになり、スパイラルが発生したことになります。
ケース3 施策未達・目標達成の場合
幸運による目標達成などで、ビジネスでの運はつきものですが、施策未実施についてのⅭ(評価)とA(改善)必要です。
ケース4 施策未達・目標未達の場合
A(改善)は必要ですが、ケース2のようにP(計画)を見直すのではなくD(行動)を見直すこととなりスパイラルは発生しません。
尚、最近、ケース4のようにPDCAが廻らないことが多い場合、PDCAにおいてP(計画)に拘ることが問題点と捉え、OODAループという手法も提唱されています。
OOADループ
Observe(みる)→ Orient(わかる)→Decide(決める)→Act(動く)&Loop(みこす)
P(計画)ではなく、現状を見て理解することからは始める考え方ですが、小生は、PDCAと現場主義の組み合わせのほうが理解しやすいと考えております。細かいところですが、PDCAのActionという名詞でありOODAのAはActという動詞であるところにも現場主義の影響を見ています。
以上が業績管理を例としたPDCAですが、プロジェクト管理や商談管理など、様々な分野でPDCAは廻せます。QCDの概念を使って、品質(Q)向上、工数(C)低減、リードタイム(D)短縮のどれかを選んで、現状業務遂行での目標を明確にしてからPDCAを廻しては如何でしょうか。
尚、サイクル期間の基本は年度です。但し、Cの実施時期については、業務遂行に必要な作業期間で異なります。「計画の共有」「途中経過評価」「最終纏め」の3回は必須ですので、前後2回に加え、標準作業期間の1/2近辺が、途中経過評価を実施すべき時期となります。勿論、途中経過評価の回数は、作業内容により異なります。商談進捗管理では、商談開始から決定までの平均期間が1年であれば進捗報告は毎月、決定までが平均2か月であれば進捗報告は毎週というように商談期間に合わせて考えます。尚、定常的日常作業については、月単位で評価することが一般的です。
日常の仕事に、様々なPDCAが混在しているのが良好な業務遂行の状態であり、組織ルールとしてPDCAを定着させていることが一つの理想と考えます。但し、小生としては、PDCAは一人でも廻せますので、組織ルールとしてのPDCAよりも、各人の職業人モラルとして、自分の仕事でPDCAを廻すことが、最も大切と考えております。「一人PDCA」は、具体的には以下のように進めます。
1)行動を起こす前に、目標の確認と計画を立てる。
2)計画に従って行動し、行動後、直ちに評価する。
3)評価次第で計画を見直し、次の行動を始める。
尚、PDCAを一人で廻す場合には、1)目標の確認、2)自己評価の同意形成、3)改善の検討及び承認の三点を上司や同僚に相談をすることが必須と考えます。
以上