新しいIT職種 営業雑感No.24

 前回は、SE・営業など従来職種の変化についてお話ししました。これらの職種の方々は、いきなりの組織変更なども充分考えられますので、日頃から今の仕事を自己変革することで変化に対応出来るように考えておくことをお勧めします。これからお話しする新職種を目指すのも一つの方向と考えます。

 新たに必要とされる職種は、運用サポート系とコンテンツ系の二種と考えます。

1)運用サポート系

 端的にいうと今のSEとCEが合体したようなイメージです。欧米ではICT機器及びサービスは「YOUR OWN RISK」の概念で提供されております。発火などの明らかな製造元責任以外は、ユーザ側に責任があるとの考えです。交換機の障害でスマホ等が使えないというトラブルが騒がれていますが、海外では二重化を怠った携帯電話会社への責任追及が主流になる筈です。日本では交換機メーカ責任のようにアナウンスがなされていますが、本当の責任はウヤムヤという流れになるだろうと思います。「YOUR OWN RISK」という概念は、クラウドやセキュリティなどの普及で、益々、強くなると考えます。加えて、インターネットなどシステム連携が当たり前になってきますので、ユーザ毎での組み合わせの自由度は拡がり、その運用についてはユーザ毎に異なってきます。従って、これまでベンダー任せにしていた運用はユーザで行うしかなくなり、ユーザ側運用要員は、インターネットやDB,セキュリティなどオープン系(標準が決まった)のシステムスキルが必須となります。そこで、オープン系スキルを有した方が、本来、ユーザ責任である運用サポートを請け負う職種が必要とされると考えます。これまでメーカ専属が基本であった運用サポートをお客様に合わせたマルチベンダー対応に切り替え、常駐、訪問、遠隔監視など各種形態の新しい運用サービスを提供するというものです。

 特に、セキュリティに関するサービスが先行して売り物になると考えており、ネットワーク診断などの診断系と組み合わせたコンサル提案や従業員向け運用教育もセットにした運用サポートが求められると考えます。セキュリティ専門会社も既に登場していますが、既存システム運用まで踏み込んだサポートが必要とされる筈で、今一歩と思います。

 尚、各システムではサポートセンターによる遠隔サポートが主流となっておりますが、複数のサポートを組み合わせて使用する場合は、ユーザ側でそれぞれのサポート範囲を理解して切り分けるスキルが求められます。一方、ハード保守は端末が多様化してきますが、サーバ等も二重化によるノーダウンが主流となり装置交換がメインで部品交換などは殆ど無くなると想定されますので、こちらも障害切り分けの問題が残ります。従って、お客様毎に、様々なハード、システム、サービスを纏めてゼネコン的に各ベンダーと折衝できる体制を持ったお会社が重宝されると愚考しております。お客様に距離的に近い位置にいる地場ベンダーが有利かと想定しています。

2)コンテンツ系

 以前、プロセッシングとデータベースからコンテンツとオペレーションの時代へと変化するとお話ししましたが、このコンテンツ系を担う新職種がコンテンツデザイナー(CD)と小生が仮称する存在です。SEはITとともに新たに生まれた職種であり、技術の種類でアプリとインフラに大別されるとお話しました。その分化の歴史は、最初にインフラSEが生まれ、その後、アプリSEに主流が変わってきています。インターネット普及に伴い生まれたCDも、この歴史に倣いインフラ系からスタートし、後に業種・業務毎に分化していくとみています。既に、一般化しているHP作成などは、先行して業種・業務特化が進むと考えています。

 CDには、二つのスキルが要求されます。一つは、最新技術を業務システムに適用させるためのインフラPGスキル(ドライバの知識、インターフェース回路の知識など)であり、もう一つがHP作成に代表されるWebデザインスキルです。今後、ウェアブル端末などの新しい入出力装置をお客様に提供するには、新装置用ドライバなどを使った接続テスト環境や中間バッファがクラウド環境で用意されますので、お客様適用に向けたテストなどを行う為のインフラPGスキルが必要です。合わせて、画面テンプレート、帳票ひな形などを作成するには、Javaなどを使ったWebデザインスキルが必要となります。

 尚、XMLに代表されますように、Webデザインとは、単なるHP表現だけではなく、ビッグデータ対応含め、コンテンツ集合体としてのデザインも要求されていきます。又、HP診断に代表されますように、お客様のお客様を見据えたダイレクトマーケティングやエンゲージジリングなどの販売系コンサルスキルを組み込んだコンテン作成も要求されるようになります。システムから業務を見るSEではなく、コンテンツから業務をみる存在がCDと愚考しております。

以上

2018年12月9日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii