私的マネジメント論 営業雑感No.21

 今回は、小生の考えるマネジメントの本質について、お話しします。小生のいうマネジメントとは、上司・部下にかかわらず、仕事をする方全員が持っていなければならない必須スキルと位置付けています。

1)マネジメントの目的

 どんな些細な仕事でも目標無き仕事はありません。目標達成の為にマネジメントがあります。今の業務に目標が見出せない、判らない場合は、直ぐに上司とご相談下さい。

2)マネジメントの要素

①お客様の見える化(経営方針、キーマン、組織構造、お客様のお客様)

 お客様に関する事象の見え方はキーマンとの関係構築次第です。又、お客様のお客様を理解しておくことは、お客様の経営方針や組織構造を知る上でとても重要です。先ずは、お客様の商品カタログを入手して下さい。

②課題の発見・発掘

 原因の徹底究明と見える化手法による恒久対策実施。QCDが決め手と考えます。

③人、物、金の最適配置

 留意すべきは、部分最適と全体最適の見極めです。「目標ありき」で判断して下さい。

④教育

 知識習得は本人次第です。教育として実施すべきは、課題の共有と強制ではないアドバイスと考えて下さい。山本五十六曰く「やって見せ、やらせてみて、褒めてやらねば部下は育たぬ」です。本人の良い所を見つけ伸ばすことがコーチングです。

3)マネジメントの手法

 「ほうれんそう 報告・連絡・相談」の実践しかありません。「報連相」の目的は、次の行動を決めることにあります。行動についての結論の出ない「報連相」は無意味です。上司が、最もやってはいけないことは「自分で考えろ」と部下に聞かれたことの答えをそのまま放り返すことです。教育的指導で部下に考えさせる為に返す場合は、最低限、考えるヒントを与えないと指導にはなりません。又、上司が自分では判断出来ないと判断した場合、部下と一緒に判断出来る方に相談にいくのがベストです。判断出来る方が他部門や判断に必要なスキルを持った部下の場合もあります。勿論、最終的な判断については上司が決断し、その責任を上司がとることは当然です。

 「報連相」を上手く機能させるには、上司と部下の双方の努力が必要で、聞き出す能力と話す能力の両方を鍛えないといけません。小生は、自分の組織上のポジションをXの形で顕すことにしています。つまり、新人の時は、自分より上位の方ばかりの逆三角形ですが、後輩が増えるにつれ自分から下向にも三角形が形成されていきます。時と共に、自分をクロスポイントにした様々なX型になっていますので、その時の自分のX型をイメージすることで、鍛える能力の方向性とバランスが決められます。

4)マネジメントにおける行動規範

①目的の数値化(金額・期間・工数・件数など)

 どんな事でも数字で顕すことは可能です。事象を数字で捉えることを実践下さい。最初はこじつけの数字でも構いません。数字と仲良しになることが重要です。

②クイックレスポンス

 「今日出来ることは、今日やる」が「いろはのい」です。常に、納期を意識する習慣をつけて下さい。

③三現主義(現場、現物、現実)

 何事においても三現主義がマネジメントの基礎となります。上司は、極力現場(お客様先など)に身をおき、現物と現実を見つめないと部下の立場を理解出来ませし、「報連相」の内容を吟味・整理することが出来ません。この吟味こそが「報連相」のコアであり教育そのものです。「常に現場に身を置く」を実践下さい。

5)マネジメントにおける判断基準

・「それは、お客様のためになっているか?」

 提案であれ、問合せへの対応であれ、全ての原点は、お客様です。「お客様への貢献」を常に念頭におき議論して下さい。

・「自分に恥ずべきことはしていないか?」

 法令順守(コンプライアンス)は無論のことですが、時間・能力など自分のベストを尽くしているか?です。相手のベストを求めず自分を振り返ることが、マネジメントにおいては、とても重要と愚考しております。

 以上のように、マネジメントの善し悪しは「ほうれんそう」の出来次第というのが小生持論です。マネジメントは管理職だけに必要なスキルではなく全員に必要なスキルです。部下が上司をマネジメントすることも必要です。上司をマネジメントというと違和感がある方もおられると思いますが、顧客同行や要員手当ての依頼、最終見積価格決定等、普段、皆さんが上司に判断を仰いでいることを、お客様や業務遂行に最適なタイミングで回答を出せるように上司の判断を仰ぐことが部下として為すべきマネジメントです。

 又、会社組織の場合、自分のポジションが上がっていくにつれて、自分が部下を直接マネジメントするだけでなく、部下経由で間接的にマネジメントする部下も増えていきます。間接的マネジメントの際に「報連相」を上手く機能させる拠り所は「目標ありき」ですが、役職を飛び越えて行うジャンプ面談など、間接的マネジメントを補完する工夫も必要です。

 一般的には「報連相」の上手い人は、いい管理職になります。マンジメント力獲得の第一歩は、部下時代の「報連相」をする訓練です。マネジメント力を養う上で最も効果的な訓練が出来きるのは、部下を待った時で、上司に対する「報連相」の仕方を自ら訓練しながら、部下の「報連相」内容の吟味と整理をし即断する訓練をしますので、双方の立場を同時に経験することで理解が進みます。管理職になってから、いきなりマネジメント力を意識しても手遅れでした。先輩から「常に一つ上の立場で考えろ」と言われていたことが身に沁みました。

以上