論理的思考法と読書のすすめ 営業雑感No.20

 今回は、論理的思考法(ロジカルシンキンングとして流行)を小生なりに解釈し、日常業務遂行における基本的な考え方を纏めました。加えて、それを支える読書を考えました。

1)目標ありき

 全ての思考の始まりは目標(目的)です。目標の定まらない思考・議論は空論です。日常的に些細な仕事でも「目標ありき」を自らが、強く意識することが第一歩です。無論、組織においては「基本方針(ビジョン)ありき」となります。

2)漏れなくダブりなく

 MECE(ミーシーもしくはミッシーMutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略)と論理学で謂われているものです。いろいろな事象・課題を整理する際の基本となる考え方で、全ての情報が必ずどれか一つの分類だけに当てはまるような辞書の目次や動植物の科目のような分類項目を決めることです。この分類が完成すると、新しい事象が発生した際に、その事象がこれまでに無い全く新しい事象であることを見分けることも容易になりますし、抜けている情報を見つけるとも可能となります。業務で扱う情報を整理する項目を見つけておくことが必要です。ファイリングは、その第一歩のように思います。

3)用語の統一

 以前の雑感でも触れましたが、同じ言葉でも人によって解釈は異なりますので、言葉・用語の定義を自分なりにしておくことが必要です。又、他人の使っている言葉・用語について、自分の定義との差分を測ることでコミュニケーション力は格段に向上します。カタカナ和製語やIT業界に蔓延するアルファベット三文字略語、SNS用語などは、知っている人同士の優越感的なものを感じ、小生はあまり好きではありません。仕事上、これらの言葉を使う際には、極力、小生解釈の日本語を当て嵌めるように努力をしています。

4)思考の見える化

 思考の過程・結果は、箇条書きにすることをお奨めします。人に伝える為には文章化することになりますが、これには文章力が必要です。文章力は読書により高められますが、こちらは時間がかかります。仕事においては、箇条書きを基本として、一項目40字以内で表現することを習得することをお勧めします。この箇条書きは、環境変化等で、後で業務を見直す際にも大きな手がかりになります。

5)評価軸はQCD

 業務に関することは、全て、Q(品質)、C(価格)、D(納期)で整理することをお勧めします。尚、「お客様の欲するもの(Q)を購入可能な価格(C)で、お客様の必要な時(D)に提供する」という小生定義の目標とするところは「お客様の満足」ですから、あらゆる業務の評価軸の基本は「顧客満足度」というのが小生持論です。

 ところで、皆さん、読書の習慣はありますか?読書とは、本だけではなく、新聞・雑誌・マンガなども含め、他人の書いたものを読むということです。読書力と理解力は緊密に関係しており読書力を高めることが、理解力を高め、結果、コミュニケーション力を高めることになります。読書力はQCDのQとDで評価出来ます。つまり、読書力の高い方は、読むスピードが速く、内容理解もそのスピードで同時におこなえています。読書力を高めるには、読むスピードを上げることをお勧めします。スピードを上げるには、判らない言葉や表現があっても読み飛ばすことです。最後まで読んでから、頭に残っている判らない言葉や表現だけを調べることです。そのほうが、調べたことが、後々まで頭に残ります。都度、調べるとその場限りで忘れたり、全体を理解するうえでは無駄な言葉で後を読む興味を失ったりします。読書嫌いの原因の多くは、この調べることが面倒だからと言われています。新しく知ったことは、既に知っていることとリンクして初めて知識に変わります。知識を深めるということは、このリンクを多くすることと同義です。読書は、この知識蓄積において、手軽で有効な手段と考えています。因みに、最も有効な手段は、会話ですが、こちらは会話出来る人脈の数に限りがありますので、読書で得た知識を、その分野で知識のありそうな方との会話で補完するのがいいでしょう。仕事においてはリスペクトしているお客様との会話が一番です。

 読書力は、習慣によってしか高めることが出来ないと愚考しております。毎日最低一回は何かを読むことが必須です。その意味でお勧めしたいのが新聞の社説を読む習慣です。小生、中学三年の時の恩師に「社説を読んで30字以内に纏める」ということを毎日の宿題にされておりました。最初は、判らない言葉も多く、一つ一つ調べて纏めるのが苦痛でしたが、判らない言葉はそのままにして10分程度で仕上げることを優先したところ、始めは赤ペンだらけでしたが、半年くらいで合格点を貰えるようになりました。実は、この経験が、上記の見解に気づくきっかけとなり「生涯是勉強」の姿勢を貫く上で最も役立ったと思っています。

 又、読む対象の増やし方ですが、一度読んで面白かった作者や時代者やSFなどのジャンルを絞って読むことをお勧めします。又、織田信長について書いてあるものをたて続けに読むとか、時代を明治維新に絞って読むとかも有効です。絞って読むことで、必然的に関連した知見が多くなり、知識を深め易くなります。加えて、愛読書を持つことをお勧めします。愛読書とは、何度も読み返す本をいいます。毎年ある時期に読む本を決めておくと便利です。同じ本を読んでも、読んだ時々により、登場人物の評価が変わったり、読後感が異なったりしますので、自分の変化を知る上で極めて有効な手段です。

 本を読むことで、頭に汗をかくことが出来ます。身体であれ、心であれ、汗の数で強さと幅が決まります。汗は嘘をつきません。その意味では知的労働者にとって、頭に汗をかく読書は必須と考えています。

以上