前回の商談ステップと購入プロセスの考え方に続き、今回は、商談管理についてお話しします。事例としては前回同様、ITシステム訪問販売型を想定しています。
要件ヒアリングが出来た全ての商談が契約に至る訳ではありませんので、要件ヒアリングが出来た商談件数を如何に減らさずに契約に結び付けるかを管理する手法としてパイプライン制御という考え方があります。IBM社で採用されて有名になった手法で、入ってきた水を漏らさずに運ぶパイプラインのように着手した商談の成約確率を上げる手法です。Webマーケティングやエンゲージングなどの最新の商談開拓手法もベースとなっているのはパイプライン制御と考えており、小生は、商談管理の基本的手法と位置付けています。自社の商品に当てはめる為の手順を以下に示します。
1)商品別の商談ステップを決める。
2)各商談ステップで次ステップへ進める為の販売手法を標準化する。
3)各商談ステップから次ステップへ進む確率を把握する。
4)平均商談期間に合わせ一定周期(月次など)で商談ステップ毎の商談数を把握する。
5)商談ステップ毎の商談数の推移を見ながら、必要商談開拓数や販売手法を見直す。
パイプライン制御を行うにあたり、留意すべきは、商談ステップの決め方です。商品毎に商談ステップは変わりますので、主力商品の商談ステップを画一的に全ての商品に当てはめるのは、管理は楽ですが経営が環境変化についていけない一因ともなりますのでご注意下さい。
商談ステップと対になる購入プロセスについての手法としてお勧めするのがアカウントプランです。これは、顧客台帳を発展させたものですが、経営課題、現行システムに加え、キーマンを取り巻く関係、こちらへのスタンス(敵か味方か)までを明確にする手法です。勿論、全ての情報がすぐに判る訳ではありませんので、お客様に出入りする全ての関係者の情報を一元化するしくみです。ゼロックス社のものが有名で、カーディーラや事務機メーカで採用されています。導入後のメンテナンス作業を伴う商品には極めて有効です。一般的に目にするアカウントプランの成果物としての提案書が医療保険などの設計書です。
これらの手法を支えるのが「ほうれんそう 報告、連絡、相談」の励行です。商談管理においては、ズバリ「相談ありき」の「そうれんほう」と考えます。商談開始段階での提案方針策定から提示価格決定、構築段階での要件変更、障害対応策などなど、全て事象発生時点で関係者と相談することが重要です。相談した結果をもって行動し、途中経過を、都度、連絡をして、最終的に結果を報告するという順序です。事前に相談することで、無駄な行動や判断ミスを防げます。又、相談をしておくことで、その後の連絡がスムーズにいきますし、報告も要点が絞れて思い込みや誤解を防げます。
相談の仕方としては、ライブ感を重視することです。時系列にお客様の言ったこと、自分や同行者の答えたことを整理して下さい。ここでの自分の解釈は不要です。相談の結果が解釈です。尚、相談を受けた方は、その答えとして相談者への具体的な行動指示を行うことが必須です。次の行動を決めるのが業務遂行の基本と考えます。
更に、相談したいことだけでなく、商談の背景となる顧客情報を相談する相手と共有することで、よりライブ感が高まります。ここでアカウントプランを使います。商談の進め方を判断するうえで必要な顧客情報とは、以下になります。
1)経営課題
2)購入プロセス
3)組織構造
4)顧客内の人脈、
5)現状システム構成
6)前回商談結果
7)今回商談に至る経緯(特に、紹介者やチャネルの存在)
8)競合の有無
但し、判らない場合は、判らないということを明確にし、判らないことの何を優先して探るかを決めることも商談管理の要点の一つです。相談相手は、通常、上司となりますが、チームで商談を進める際には、関係者への同報が有効でLINEグループのような関係者で回覧出来るしくみを活用することをお勧めします。商談発生段階で、顧客情報を共有する会議をおこない、メーリングリストなどを作成することが商談管理の第一歩です。余談ですが、営業日報を採用される場合は、商談管理を重視するのか?勤怠などの行動管理ツールを重点とかを決めることをお勧めします。商談管理と勤怠管理は分離するほうが効果的と小生は考えております。
最後に商談の進め方の要点を以下に纏めておきます。
1)商談ステップの明確化
2)購入プロセスの確認(アカウントプランの作成)
3)「そうれんほう」の徹底
以上