商談の進め方1 営業雑感NO.16

 今回から商談の進め方について連作でお話しをさせて頂きます。初回は、商談の進め方の基礎となる商談ステップと購入プロセスの考え方です。

 先ず、商談の流れについて、ITシステム訪問販売型を例にすると以下になります。

 1)営業が訪問をし、お客様と仕事の話合いが出来る関係を築く。

 2)お客様の要件(課題)を聞き出します。

 3)その要件に対するソリューション提案(課題解決提案)をします。

 4)他社提案との差別化要素を明確にし、提案の優位性をアピールし続けます。

 5)詳細を検討し、競合を鑑みて正式見積を提出します。

 6)お客様と見積内容に沿った契約を取り交わします。

 7)システム稼働に向け導入準備、PG開発、指導・教育を行います。

 8)システムを納品し、お客様から検収を頂きます。

 9)お客様からの入金を確認します。

10)本稼働を確認し、その後の安定稼働に向け運用サポートを実施します。

 上記のように商談の流れを段階的に整理したものが商談ステップとなります。ここで、ご注意頂きたいのは、商談は受注で終わるのではなく、お客様での本稼働までを確認しサポートを実施し始めるところで終わることです。お客様が商品を使うことで付加価値を提供できますので納品で終わりではありません。

 次に、お客様でのシステム購入までの大まかな流れは以下になります。

 1)概略の費用対効果をベースに予算申請を行う。

 2)各ベンダーへシステム要件を話し、提案を貰う。

 3)比較検討を行い、購入ベンダーを決定し購入申請を行う。

 4)購入決済後、ベンダーへの発注及び導入準備を行う。

 5)支払完了をもって完了報告を行う。

 6)本稼働後に費用対効果の検証をし、フォロー報告を行う。

 上記のような、お客様での購入までの流れを購入プロセスといいます。従って、商談の進め方で、最も重要なことは、お客様での購入プロセスと商談ステップの同期をとることです。上記、商談ステップ5と購入プロセス3は、完全に一致していないと商談そのものが成立しません。言い換えますと、商談を進めるとは、お客様の購入申請時期を見据えて要件ヒアリングから正式見積提出までのタイムスケジュールを立てて行動することに尽きます。一般的に商談ステップは組織的に管理されているものの、購入プロセスとの同期については、各営業任せになっている傾向が強いようです。加えて、購入プロセス6(費用対効果検証)は、お客様にとって最も重要なことであり、商談ステップ10(サポート提供)の中で、最重視すべき課題です。商談ステップを受注で終わりとしなかったのは、購入プロセスと商談ステップの同期をとって管理することにも通じています。

 商談ステップは商品により異なり、購入プロセスは、お客様によって異なります。購入プロセスについてはお客様にきくしかありません。商談ステップについては、商品毎に標準パターン化が出来ます。日常の営業の流れを時系列に並べて、そのステップを達成したと見なすことの出来る達成評価書類を当てはめます。お客様と会話が出来るようになったことの証しとしてのユーザ台帳やユーザ連絡表から始まり、商談ステップ毎に、要件チェックシートや提案書、各種議事録、見積書等、日常、使用している帳票を当てはめていきます。もし、ある商談ステップで日常使っている帳票が無い場合、その商談ステップは概念としては存在するが、実は成立していない可能性もあります。無論、本来あるべき帳票が無い場合もありますので、その際は、新たに帳票を作成する必要があります。このように、営業の流れと現在使用している帳票を時系列に並べて商談ステップを定義します。商談ステップは商品毎にかわります。通常意識されている営業の流れと異なる場合も多いですので、ご留意ください。

 又、達成評価書類を決めると同時に、各商談ステップで為すべきことも決める必要があります。例えば、商談ステップ3「提案」で、提案書を達成評価書類としたとすると、提案書作成の前に、概算価格提示、デモ実施、勉強会開催、導入スケジュール案提示、顧客運用体制案提示等をしておく必要があります。勿論、提案書に中に記載することも必要ですが提案書の提出以前に押さえておくことで提案書の中身が充実します。但し、商談ステップ毎に為すべきことの数が、10以上あるようなら、その商談ステップは、二つに分けたほうがいいかもしれません。為すべきことは、商談推進のQ(品質)を上げる為に漏れを無くすことを目的としていますので、多ければ無意味になる可能性があります。

 尚、為すべきことと商談ステップの混同にご注意下さい。例えばデモの実施です。デモ実施の有無で受注確度が大きく変わる場合は、商談ステップとしたいところですが、デモを紹介から仕様確認まで様々な商談ステップ実施する場合は、商談ステップとしては不適当で、各ステップでの為すべきことになります。但し、紹介デモと仕様確認デモの二つにデモ実施を分けて、必ず実施することとすると商談ステップとして成立する可能性が高くなります。為すべきことと商談ステップの混同を回避するには、為すべきことと達成評価書類の前後関係を明確にし、商談で必ず通る道筋であり、且つ、各商談ステップの前後関係が明確なものだけを商談ステップとします。

 今回のテーマである商談の進め方の基礎となる商談ステップと購入プロセスの同期とは、商談ステップ毎に、お客様の欲する納期を意識して次ステップに向け作業を進めることです。これは、宿題事項や提出資料の納期を常に、お客様に確認して作業をすることでしか実現出来ません。勿論、その納期は購入プロセスが前提になっている筈で、お客様の購入申請時期からの逆算になります。繰返しますが、受注までの納期最終チェックポイントは、購入申請時期と正式見積提出の同期です。常に「仕事は納期ありき」です。

以上

2018年10月14日 | カテゴリー : ICT, 営業 | 投稿者 : csf-ishii