付加価値 営業雑感NO.7

 今回はQCDと同じく小生の考え方の根幹にある付加価値についてお話しします。以下に付加価値と売上及び利益の関係式を示します。経理定義の付加価値には細かい費目がありますが小生はシンプルにしています。

付加価値       = 売上   - 外部原価(仕入、外注など)

営業利益(以下 利益)= 付加価値 - 内部原価

 小生は、付加価値が利益の源泉と捉え付加価値拡大が企業にとっての一番の命題と考えています。ところが、卸値や仕切価格が設定されていることから、単に粗利として捉え自社の付加価値を定義出来ていない企業も多いものです。販売会社でも接客対応などサービス業化が進んでおりますので、お客様へ提供する自社の付加価値を明確にしておくことが必須と考えています。具体的には、同じ商品でもコンビニのように最寄りで直ぐに手に入る(D)を付加価値とする店と100円ショップやドラッグストアのように(Ⅽ)優先の店をその時の事情でお客様は選んで購入しています。お店の付加価値を明確にしてお客様の購入動機に訴えると共に、接客態度や商品品揃えを考えることが重要と考えます。

 一方、ものづくり型企業やサービス業では外部原価を下げることでも付加価値は上がります。外部原価を下げるには外注費削減だけでなく、外部委託作業や仕入品を内作化することでも実現できることを意識してください。想定課題で考えてみましょう。

①お客様予算70万の商談があり、当社内作で行うと原価は60万円、外部委託とした場合の外注費は30万円だった。

②委託先の品質は、当社内作とほぼ同じである。

③社内の稼働状況は余裕があるが、本件対応では残業の可能性もあり見積原価にはその分も加えている。

 内作と外注の場合の利益と付加価値を比較します。

内作 売上70万円 付加価値70万円 原価60万円 利益10万円

外注 売上70万円 付加価値40万円 原価30万円 利益40万円

 商談管理は利益で管理をしている会社が一般的ですのでこのケースでは外注を選ぶ会社が多いですが、付加価値優先で考えると内作となります。小生の判断では残業を考慮したとしても内作です。社員の産み出す付加価値を優先させるという考え方です。付加価値と利益のバランスを考える上で重要な要素が稼働率です。稼働率が高ければ利益優先で判断し、稼働率が低ければ付加価値優先で判断します。基準となる稼働率は、試作や見積対応等の拡販対応もあり会社により様々ですが70%~80%が一般的です。但し、商談時に判断すべき稼働率は未来の想定稼働率です。商談において顧客要求納期が価格同様の重要な情報であり、内部的には未来の想定稼働率を把握する仕組みが必須となります。

 さて、今回はもう一歩踏み込んで一人ひとりが日常業務活動の中で付加価値を意識する方法を考えました。業務においては、個人別の売上や原価などを知ることが難しくC(金額)で評価をすることが難しいので、D(時間)で評価することをお勧めします。生産現場ではトヨタ方式のように付加価値に貢献しない待ち時間や運送時間などの無駄な時間を徹底的に排除する活動が有名ですが、営業のようにお客様と商品の間での仕事にもこの考え方は当てはまります。売上に繋がる作業、つまり、お客様向け作業時間が、売上向上に繋がり付加価値を生む時間となります。それ以外の時間は内部原価となります。極論すると付加価値を生む時間は、お客様と会話をしている時間だけになります。お客様向け作業でも、見積や資料準備の時間は付加価値をうむ準備時間ですが、頻繁な再見積や障害などで時間を取られることは付加価値を下げることに繋がります。これらの無駄を除く為には、お客様との会話をきめ細かくし、都度、確認をすることを怠らないことが重要で、そのテクニックがコールバックです。「その意味はなになにですネ」とか「宿題はなになにですネ」とかで、お客様の発言に確認をとる癖をつけることがコツです。メモをとることも重要ですが、メモはこの確認の為の補助作業で、お客様の確認をとらずにメモだけを残しても意味はありません。作業時間(D)の効率を上げる為にする行動が、お客様への確認により提案品質(Q)の向上にも直接繋がります。日常活動での付加価値向上の指標はDを先行指標とする方法を考えて下さい。作業表や日報の中に占めるお客様向け作業時間の割合を増やし、その中の無駄(繰り返し作業や手戻り)を減らすことが重要です。システムを利用し作業時間集計など全社数字を把握・管理することも勿論重要ですが、工場で実施されているような朝礼や就業後確認作業のように、一日の仕事の中身をお客様向け作業とそれ以外の作業で、各人が評価をすることが最も重要です。つまり、「付加価値とは、皆さんの日々の活動の中にあり、それを評価するのも皆さん自身だ」ということを自覚して頂けると有難いです。因みに、お客様との面談時間(純付加価値)が30%以上で準備含むお客様向け作業が50%を超えていれば高付加価値型営業といえます。

 管理部門の方でも、この考え方はあてはまる筈ですが、小生、管理部門については知識不足です。但し、各部門の付加価値は何かを定義することが重要で部門ビジョン策定とも大きく関係すると考えます。勤怠部門で従業員サービス向上を担う部門と位置付けて活動されたという事例などもあるようですので、機会があれば勉強したいと思います。

以上

2018年8月14日 | カテゴリー : QCD | 投稿者 : csf-ishii