トランプ関税 営業雑感NO.384

 世界が注目しているトランプ政権に対する、米国民主主義の一つの判断が出ました。トランプが世界を振り回す武器としていたトランプ関税が違憲と判断されました。元来、関税の決定権は米国議会にありましたが、特例事項を拡大解釈して大統領権限として議会承認を得ずに大統領令で決定してきました。違憲と判断されましたので、今後は、議会承認を得ることになり、国別の個別関税についても議論されることになります。更には、これまでに支払われた関税についても、一部企業が既に実施しています返還要求も増えると思います。トランプ政権の外交政策の柱ともいえる関税政策ですから代換措置が用意されているようですが、トランプ氏が三権分立をどこまで順守するか?です。中間選挙で米国国民がどのような判断を示すかが分岐点になると見ています。イラン攻撃によって、中間選挙を実施しないという噂もまことしやかに流れていますし、自ら任命した裁判官を国の恥とまでSNSで批判するなど自らを帝王として活動しているように見えますので、何が起こるかは不明です。

 最初にトランプ関税を聞いた時には、戦争を経済非効率なものとして捉えて、関税を使って経済を武器に変えるという新しい外交政策の可能性を示したと評価をしていました。しかしながら、よくよく考えると、相手国経済に圧倒的な影響力を保持出来る大国にのみに許される武器ですので、核兵器保有数と同じだと気付きました。その後の、ベネズエラ攻撃やイランへの攻撃姿勢などを見るにつけ関税を武器にするというのは見せかけだけだと思うようになりました。違憲と判断をしたことは、米国の良識を示しているように感じます。

 そもそも経済は政治とは独立して活動することで、ある意味で平和をもたらすものとなります。我が国の歴史においても楽市楽座は皆さんのよく知るところです。しかし、世界史の中でよく見てみますと、貿易は政治と密接に結びついているように見えます。スペイン無敵艦隊を背景にした南米征服、英国艦隊によるアジア進出など、貿易というよりは原住民搾取を目的とする植民地政策を列強が競う形になっていました。その後は、産業革命による内燃機関の登場と金融が結びつき、世界の覇権をディーゼル・石炭・銀で英国が握り、次にエンジン・石油・金で米国がとって変わって現在に至っております。小生は、経済で世界平和に貢献したしくみは出現していないと考えます。日本の商社に、その片鱗も見たようにも思いますが、ITの登場で経済の構造も大きく変ったと思います。

 国家として経済活動を中心に据えてきた国としては、フェニキア・オランダですが、いずれもその後は小国となり、経済活動を担ったフェニキア商会、西インド会社、共に現在は残っていません。100年後の歴史書には、昭和の日本と商社が、衰退した第三の経済国家として掲載されているのかもしれません。

以上

2026年2月22日 | カテゴリー : 閑話休題 | 投稿者 : csf-ishii