小生としては信じられない自民党の歴史的大勝で総選挙が終わりました。日本人は国民性として政治をお祭り騒ぎにする文化があるように思います。幕末の「ええじないか」世界大戦以前の「提灯行列」と並ぶ「高市旋風」だったのではないでしょうか?
今回タイトルのヨブ・トリューニヒトとは、田中芳樹著「銀河英雄伝説」の登場人物です。小生は、ヨブ・トリューニヒトと高市首相が被って見えています。トランプ大統領も同類と考えています。銀河英雄伝説は小生の愛読書の一つです。中国史を下敷きに実によく政治と戦争と人間を描写しています。加えて地球教という宗教も登場しますし、戦国時代の堺のような経済自治領も登場します。
ヨブ・トリューニヒトの背景を説明する為に、全10巻からなる銀河英雄伝説を小生解釈で要約します。地球を中心に民主主義で統治されていた銀河全体で、辺境惑星で理不尽な弾圧から脱出するためにゴールデンバウムをリーダとする一団が一つの星で独立し、やがてゴールデンバウム朝という帝と同志が貴族となった絶対君主支配を行なう銀河帝国を樹立します。これに対して各惑星は、銀河帝国に併合されるか?新しく設立された自由惑星同盟に参加するかを迫られます。その為、銀河帝国と自由惑星同盟はお互いの正当性を主張して戦争を重ねます。そこに、経済独立をうたい軍隊を持たない中立国としてフェザーン自治領が登場して、三国による均衡が保たれた時代が小説の背景となります。
物語は、膠着した時代の中で、帝国側に平民出身のラインハルトが台頭し、多くの有為の人材を纏めあげて、自由惑星同盟との戦いを繰り返しながら新しい王朝を樹立します。一方の自由惑星同盟では、国民の圧倒的な人気を背景としたヨブ・トリューニヒトとその取り巻きによる好戦策により銀河帝国に戦いを仕掛けるものの敗戦を続けます。そこに、ヤン・ウェンリーという戦略の天才が登場し、銀河帝国との軍事的均衡を保ちます。ヤンは、民主主義信奉者でヨブ・トリューニヒトとその取り巻きには疑問を持っていますが、政治に関与しないという軍人の本分に従うという構図です。ここに、母なる地球を崇める地球教という宗教が登場をし、地球教は、自由惑星同盟と銀河帝国の均衡を保つことで人民に寄生するという方策を持ち、実は、フェザーン自治領の領主もヨブ・トリューニヒトも地球教に支配されているという伏線がはられています。スペースオペラとして戦記物を中心に据えていますが、政治や恋愛も絡むスペースオペラです。ヨブ・トリューニヒトは、そんな中で、国民から圧倒的な人気を背景に反対派の弾圧を行なう自警団の活動を容認し、自らの権力に執着している自由惑星同盟の元首として描かれます。
端的に纏めますと、帝国主義国と民主主義国の間で戦争が続く中で、二人の軍事的天才が登場し、帝国主義国では新しい帝政を興して民政を充実させるが、民主主義国では 人気政治家のもとで軍人として死んでいくという物語です。人気政治家は反帝国を煽り、宗教とも深い関係を持って自らの権力を維持します。高市首相は、中国を仮想敵国として富国強兵を主張し、統一教会との関係を曖昧にしています。どこか似ていませんか?
「高市旋風」は誰にでも出来るものではありません。特に、国民の意識の中の不満を一気に集約するキッカケがあったものと思います。「ええいじゃないか」や「提灯行列」にも共通する「国民の不安」がピークになっていたものと愚考しています。「女性初の首相」マスコミからは政治的失言といわれていますが「中国に対する明確な意思表明」などが、不安を持つ国民の琴線にふれたものと推察します。
以上